2018年03月26日

EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第2の助言セットを欧州委員会に提出(1)

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■要旨

ソルベンシーIIに関しては、EIOPA(欧州保険年金監督局)が、欧州委員会からの要請を受けて、その見直しの検討を行っている。EIOPAは、2017年7月4日に「ソルベンシーII委任規則の特定項目に関する欧州委員会へのEIOPAの第1の助言セットに関するコンサルテーション・ペーパー(CP)」を公表したが、これに対する関係者からの反応を踏まえて、2017年10月30日に、「ソルベンシーII委任規則の特定項目のレビューに関する第1の助言セット」(以下、「第1の助言セット」という)をまとめて、欧州委員会に提出した。

その後、EIOPAはさらなる検討を進め、2017年11月6日には、「ソルベンシーII委任規則の特定項目に関する欧州委員会へのEIOPAの第2の助言セットに関するコンサルテーション・ペーパー」(以下、「CP」と言う)を公表し、関係者からのフィードバックを求めた。

その内容については、基礎研レポート「EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第2の助言セットについてのCPを公表(1)-欧州委員会に対する助言内容-」(2017.12.12)、「EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第2の助言セットについてのCPを公表(2)-欧州委員会に対する助言内容-」(2017.12.18)及び「EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第2の助言セットについてのCPを公表(3)-欧州委員会に対する助言内容-」(2017.12.25)で報告した。さらには、これに対する欧州保険業界団体からの意見については、保険年金フォーカス「EIOPAのソルベンシーIIレビューに関する第2の助言セットについてのCPに対する反応-欧州保険業界団体からの意見-」(2018.2.19)で報告した。

EIOPAは、こうした意見も踏まえて、さらなる検討を進めていたが、2018年2月28日に、「ソルベンシーII委任規則の特定項目のレビューに関する第2の助言セット」(以下、「第2の助言セット」という)をまとめて、欧州委員会に提出した、と公表した。

今回を含めた4回のレポートで、この第2の助言セットの概要について報告する。まずは、今回のレポートでは、全体概要とEIOPAによる助言のうちの保険引受けリスクに関係する項目について報告する。

■目次

1―はじめに
2―今回の第2の助言セットの概要
  1|ソルベンシーIIのレビューの背景-これまでの経緯-
  2|今回の助言セットの位置付け及び構成
  3|EIOPAによるプレスリリースの内容
3―今回のEIOPAによる第2の助言セットの具体的内容-保険引受けリスク関係-
  1|I.保険料及び準備金リスクの標準的なパラメータの再較正
  2|II.保険料リスクのためのボリューム指標
  3|III.死亡及び長寿リスクの再較正
  4|IV.健康カタストロフィリスク
  5|V.人為的なカタストロフィリスク
  6|VI.自然カタストロフィリスク
4―まとめ
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中村 亮一

研究・専門分野

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レポート紹介

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