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1――米財政は景気刺激的に
昨年末には今後10年間で1兆5000億ドル規模となる大型減税が成立した上に、こうした政治情勢が影響したためか、年明けに提出された予算教書ではメキシコ国境の壁の建設費など230億ドルの国境警備強化や、今後10年間で2000億ドルに上るインフラ投資支出、国防費の増額などが盛り込まれており、財政政策は非常に景気刺激的なものになりそうだ。
2――米国の金融正常化
米FRB(連邦準備制度理事会)は、パウエル新議長の下でも、イエレン前議長時代と同様に緩やかな金利引き上げが続けられることになるだろう。1月の失業率は4.1%と米国としては極めて低い水準にあって、大規模な財政赤字を出してまで財政政策による大規模な景気刺激を行わなくてはならないような状況ではない。むしろ、経済の先行きに対して市場が楽観的になりすぎることの方が心配で、景気刺激的な財政政策とのバランスを考えると利上げを加速させた方が良いくらいだ。
先進国の中央銀行は形の上では政府や議会から独立しているが、現実の関係は複雑で微妙だ。世界の中央銀行の手本とも言える米国のFRBもその例外ではなく、必ずしも最適な政策が実行できるとは限らない。
3――株式市場は不安定化
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)
研究・専門分野
(2018年02月28日「エコノミストの眼」)
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