2018年02月19日

イタリアの選挙戦が映すもの-失業と格差に追い打ちをかける難民と財政の制約

経済研究部 主席研究員   伊藤 さゆり

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■要旨
  1. 3月4日のイタリア総選挙は明確な勝者のない結果となり、政権樹立は難航しそうだ。世論調査で中道右派連合がリードするが、民主党とフォルツァ・イタリア(FI)を主軸とする大連立や、反エスタブリッシュメントのポピュリスト政党・五つ星運動の政権入りの可能性も排除できない。政権に政治家が入らないテクノクラート政権の樹立や再選挙を予測する向きもある。
     
  2. 政治の混迷は深いが、イタリアの政治リスクへの市場の警戒感は後退している。幾つかの理由のうち最大のものは、ユーロ離脱やEU離脱が争点となっていないことだろう。
     
  3. イタリアが目下「直面する最も深刻な問題」は失業と移民である。失業問題の深刻さは地域毎にばらつきが大きく、五つ星運動の支持が高い南部はとりわけ深刻だ。失業の解消の遅れは貧困や社会的排除とも表裏一体だ。前回総選挙で関心が低かった移民も難民流入の増加で争点に浮上した。中道右派連合は、不法移民の退去など移民政策への厳しい姿勢で支持を広げようとしている。
     
  4. 予想される票の分散は、経済・雇用の回復の鈍さ、深刻な地域格差、これらに追い打ちをかける難民流入の圧力への懸念を反映する。主要政党が主張する拡張的な財政政策はEUの財政ルールが制約となり実現性は乏しいが、複雑過ぎるEUの財政ルールにも見直しの余地はある。
ユーロ導入時よりも貧しくなっているイタリア-家計の一人当たり実質可処分所得-
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