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- ついに米国株ミニバブルが崩壊-日経平均は早期に2万3000円を回復か
2018年02月06日
米国株急落の本質はミニバブルの崩壊
図1のとおり米国株は適正水準を大きく超える状態が続いていた。適正水準は企業業績から算定したもので、株価の割高/割安を示すPER(株価収益率)15倍に相当するが、16年11月の米大統領選以降、堅調な景気や業績拡大期待を理由に高値更新を続け、株価が適正水準から乖離する“独り歩き”が助長された。
そうした中、2日に発表された米雇用統計が良好な内容だったことをきっかけに米国の金利が上昇したため、米国債と比べて投資魅力度が薄れた米国株が一斉に売られた格好だ。などといえばもっともらしく聞こえるが、端的にいえば米国株の投資家にとって大事なのは“売るタイミング”であって、“売るきっかけ”など何でも良かったのだろう。これまで十分に値上がりした株を、他人より先に売ることが何より重要だからだ。これこそが“バブルの終焉”なのだろう。
そうした中、2日に発表された米雇用統計が良好な内容だったことをきっかけに米国の金利が上昇したため、米国債と比べて投資魅力度が薄れた米国株が一斉に売られた格好だ。などといえばもっともらしく聞こえるが、端的にいえば米国株の投資家にとって大事なのは“売るタイミング”であって、“売るきっかけ”など何でも良かったのだろう。これまで十分に値上がりした株を、他人より先に売ることが何より重要だからだ。これこそが“バブルの終焉”なのだろう。
日経平均は割安な状態になった
方や、日経平均は米国株急落に付き合う格好で大幅下落となった。肝心なのはリーマン・ショック(2008年9月)やチャイナ・ショック(2015年8月)とは状況が全く異なることだ。今回は国内外の景気や企業業績の悪化が懸念されるわけではなく、単に市場心理が極端に冷え込んだに過ぎない。米国株の急落を目の当たりにした日本株の投資家が恐怖感からパニック売りを出したり、米国株で損失を被った投資家が利益の出ている日本株を早めに売ろうと動いたのだろう。
その結果、図2のように日経平均は適正水準を大きく下回った。しかも、足元で進む第3四半期決算で通期の業績見通しを引き上げる企業が相次ぎ、株価の適正水準そのものは上昇している。つまり、今回の大幅下落で日経平均は一気に割安な状態になったとみられる。
その結果、図2のように日経平均は適正水準を大きく下回った。しかも、足元で進む第3四半期決算で通期の業績見通しを引き上げる企業が相次ぎ、株価の適正水準そのものは上昇している。つまり、今回の大幅下落で日経平均は一気に割安な状態になったとみられる。
当面の見通し~米国株は一進一退、日経平均は2万3000円を回復~
今後は日米ともに株価は落ち着きどころを探ることになる。まず米国株についてはミニバブルが弾けた格好なので株価の戻りは鈍いだろう。トランプ減税が米企業の業績を後押しするものの、それを考慮しても当面の落ち着きどころは2万3,000~2万4,000ドル付近とみられる。1月26日につけた直近高値の2万6,616ドルを回復するには相当の時間を要するだろう。
一方、日経平均については明るい見通しが描ける。先に述べたように今回の大幅下落は米国株急落を受けた市場心理の冷え込みが主な理由で、経済のファンダメンタルズは何ら変わっていないからだ。今夜(6日)の米国株が大幅続落とならなければ明日にも2万2,000円を回復し、早ければ2月中、遅くとも3月末までに2万3,000円台を回復すると想定される。
一方、日経平均については明るい見通しが描ける。先に述べたように今回の大幅下落は米国株急落を受けた市場心理の冷え込みが主な理由で、経済のファンダメンタルズは何ら変わっていないからだ。今夜(6日)の米国株が大幅続落とならなければ明日にも2万2,000円を回復し、早ければ2月中、遅くとも3月末までに2万3,000円台を回復すると想定される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
2023年より現職
【加入団体等】
・日本ファイナンス学会理事
・日本証券アナリスト協会認定アナリスト
(2018年02月06日「基礎研レター」)
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