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では、実際に企業は取締役会の構成を、今後どのようにすべきと考えているのだろうか(図表2)。経済産業省のアンケートによれば、社外取締役の比率を高める(執行と監督のバランス最適化等)ほか、更に多様性の拡充に注力していく意向も見られる。その一方で、今後の方針が明確でないほか、実効性を高める方向に進むとは期待しがたい企業が半数にのぼるようである4。コーポレートガバナンスに臨む姿勢として、企業の実態に近いという印象も受ける。
しかし、やはり会社内部だけでは限界があるとすれば、外部ステークホルダーの中で、取締役会構成に課題意識の高い株主・投資家の後押しという所に戻ってくる。例えば、複数の日本の機関投資家から、会社の戦略にフィットした同業他社の好事例等の知見がもたらされれば、会社側が取締役会構成について改めて検討する契機となり得る。取締役会の構成を含めた実効性も、スチュワードシップ責任の履行として投資家側の課題であるとも言えるのである。
1 拙稿「取締役会評価についての一考察」(2017年4月)http://www.nli-research.co.jp/files/topics/55404_ext_18_0.pdf?site=nli
2 コーポレートガバナンス・コード原則4-11後段
3 コーポレートガバナンス・コード原則4-11前段
4 アンケートの「特になし」と「わからない」に重複は少ないと推測されるが、「特になし」には構成が現時点で最適と考える企業も含まれるだろう。
5 注1に同じ
6 中村直人「取締役会改革」中央経済社(2016年12月)P.30~31
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江木 聡
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(2017年08月31日「基礎研レター」)
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