2017年07月31日

2016年健康寿命は延びたが、平均寿命との差は縮まっていない~2016年試算における平均寿命と健康寿命の差

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子

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■要旨

7月27日に厚生労働省から「2016年簡易生命表」が公表され、平均寿命が男性80.98年、女性87.14年と、いずれも過去最高を更新したことがわかった。

しかし、このことを不安に感じる人の方が多いようだ。平均寿命が延びても、「健康で生きられる期間」が延びなくては、有難味がないというものだ。「健康で生きられる期間」も延びているのだろうか。

本稿では、「2016年簡易生命表」を使った「2016年健康寿命」の概算結果を紹介する。正式な数値は、厚生労働省からの公表を待たれたい。

「健康で生きられる期間」の定義は、人や環境により様々な考え方があると思われる。国では、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義し、「国民生活基礎調査1」の「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という設問の結果を用いて算出していることから、本稿ではこの定義を使う。
 
1 「国民生活基礎調査」は毎年実施されているが、健康寿命の算出に使用する設問を含む健康調査は3年に1回実施されているため、それにあわせて健康寿命も3年ごとに公表されている。


■目次

1――健康寿命も延びているが、健康寿命と平均寿命の差は依然として長い。
2――健康上の問題で日常生活に影響がある割合
  (1)70歳以降で高い。女性が60~74歳を除く年代で男性より高い。
  (2)60歳以上で継続的に改善
  (3)男女差は70代で縮小 80代以降で拡大
3――日常生活に影響がある期間の短縮、および男女差縮小に向けて
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

村松 容子 (むらまつ ようこ)

研究・専門分野
健康・医療、生保市場調査

経歴
  • 【職歴】
     2003年 ニッセイ基礎研究所入社

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