2017年08月03日

投資教育で大事なことは

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昨今の日本では、「貯蓄から投資」への一環として、金融リテラシー向上の必要性が強く叫ばれている。中でも確定拠出年金制度では加入者の半数近くが預金など元本確保型商品に投資しており、よりよい選択のためにも教育に注力するべきと指摘されている。

内外株式を含む複数の資産に投資すれば、リスク分散効果を得ながら、より高い収益率が期待でき、インフレにもより対応しやすい。他方、預金のみでの運用ではリスクプレミアムやリスク分散効果が期待できず、物価上昇にも対応しづらい面がある。

つまり、投資教育で最も大事なことは、(1)リスク資産投資は長期的には報われる可能性が高い、(2)分散投資を通じて収益を低下させずにリスクを抑えられる、(3)名目上の収益ではなく、実質でみた収益が重要である、の3つの点ではないか。

公的年金や退職金制度の説明は別として、投資分野の啓蒙はこの3点に集中してはどうか。「教育」だからといって、あまりに体系的・網羅的な内容にすると、加入者にはなおさら理解が難しくなる。この3点を繰り返して教えれば、実際に加入者の役に立つは
ずだ。投資教育にもっとメリハリ(濃淡)をつけてはどうか。
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(2017年08月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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