2017年06月19日

中国の年金制度について(2017)-老いる中国、老後の年金はどうなっているのか。

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 片山 ゆき

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■要旨
 
  • 2015年、中国の高齢化率は10.5%で、高齢化社会(65歳以上人口の割合が7%以上)となっている。高齢化のスピード(高齢者人口が7%から14%に推移するのに要する時間)は日本とほぼ同じ25年とされ、2025年には高齢者が全体の14%を占める高齢社会に突入するとされている。少子高齢化が急速に進む中で、年金受給者1名を現役の加入者2.87人で支えている状況にある。
     
  • 急速に老いる中国で、老後の生活を支える年金制度はどうなっているのか。
    本稿では、中国の公的年金について、制度体系、財政収支、運用、課題といった面から体系的に紹介する。

■目次

1――公的年金の概要と特徴
  1|公的年金の体系 
  2|都市職工年金-都市の会社員を対象とした年金
  3|都市職工年金-公務員を対象とした年金
  4|都市・農村住民年金-都市の非就労者・農村住民を対象とした年金
  5|受給格差
  6|管轄地域を跨る場合の保険料の引継ぎ
2――公的年金財政の構造、財政収支状況
  1|財政の構造・管理
  2|制度ごとにみた財政の収支状況
  3|地域ごとにみた財政の収支状況
3――年金積立金の運用
  1|年金積立金の委託運用解禁
  2|年金積立金の金融市場における運用先
4――中国の年金制度が抱える課題
  1|個人勘定をめぐる流用問題
  2|受給開始年齢の引き上げ
  3|2020年皆年金を目指して
5――中国の年金制度概要一覧
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき (かたやま ゆき)

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴
  • 【職歴】
     2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
     (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
     ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
     (2019年度・2020年度・2023年度)
     ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
     ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
     日本保険学会、社会政策学会、他
     博士(学術)

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