2017年05月08日

求められる年金制度体系の改善に向けた検討

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今年1月、確定給付企業年金制度に、掛金拠出の平準化を可能とするリスク対応掛金やDBとDCの中間的な特性を有するリスク分担型企業年金が導入された。確定拠出年金制度においては、昨年5月の改正法の成立を受け、個人型DCの加入可能範囲の拡大等が進められている。

これらは、公的年金の給付水準の調整が見込まれるなかで、“国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に与すること”を共通の目的とし、公的年金を補完する機能が期待されるDB・DCの普及拡大が不可欠であることが背景であり、制度改正の意義は極めて高い。

しかしながら、一連の制度改正を通じても、両制度の普及拡大が十分に進むとは限らない。広く国民の高齢期における生活安定を図る上では、両制度の普及が必ずしも進まない可能性にも配慮しつつ、更なるDB・DCの改正はもとより、公的年金を含めた年金制度全体のあり方についての議論が欠かせない。年金制度体系の改善に向けた継続的な検討に期待したい。
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(2017年05月08日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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