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2017年04月25日
欧州大手保険グループの2016年決算状況について(1)-低金利環境下での各社の生命保険事業の地域別の業績や収益状況はどうだったのか-
2-2.営業利益の状況
次に、営業利益の地域別内訳を見てみる。地域別の利益配分等にも各社毎の考え方が反映されているが、各国における子会社毎や各社間の収益状況の差異等を一定程度比較できるものと考えられる。
(1)2016年の結果
営業利益ベースでも、各社の地域別の構成比の状況は、保険料と傾向は大きくは変わらない。
AXAは、アジアが29%とさらに高くなっており、米国と合わせた2つの地域で51%を占めている。
Allianzは、米国が23%と高くなっているが、アジア・太平洋やその他は各2%程度にとどまっている。
Generaliは、イタリアが42%と保険料の構成比以上に高くなっている。
Prudentialは、アジアが35%となり、2015年の30%に比べて、さらに高くなっている。
Zurichは、中南米等のその他が17%と、営業利益の面でも他社と比べて際立って高くなっている。
なお、以下の図表にはないが、Avivaの場合、欧州が9割、残りの1割がアジアとなっており、Aegonの基礎利益は、欧州が1/3、米国が2/3となっている。
このように営業利益ベースでみると、米国事業を有する会社においては、そのグループ内での位置付けがさらに高いものとなっている。アジア・太平洋については、保険料規模の大きいAXAやPrudentialと、これら2社までの水準には達していないAllianzやGeneraliとは状況が異なっており、先の2社では営業利益ベースでの構成比は保険料ベースよりもさらに高く3割程度となっている。
いずれにしても、営業利益においても、各社とも、自国以外での構成比が6割から8割となり、重要な位置付けを占めてきている。
次に、営業利益の地域別内訳を見てみる。地域別の利益配分等にも各社毎の考え方が反映されているが、各国における子会社毎や各社間の収益状況の差異等を一定程度比較できるものと考えられる。
(1)2016年の結果
営業利益ベースでも、各社の地域別の構成比の状況は、保険料と傾向は大きくは変わらない。
AXAは、アジアが29%とさらに高くなっており、米国と合わせた2つの地域で51%を占めている。
Allianzは、米国が23%と高くなっているが、アジア・太平洋やその他は各2%程度にとどまっている。
Generaliは、イタリアが42%と保険料の構成比以上に高くなっている。
Prudentialは、アジアが35%となり、2015年の30%に比べて、さらに高くなっている。
Zurichは、中南米等のその他が17%と、営業利益の面でも他社と比べて際立って高くなっている。
なお、以下の図表にはないが、Avivaの場合、欧州が9割、残りの1割がアジアとなっており、Aegonの基礎利益は、欧州が1/3、米国が2/3となっている。
このように営業利益ベースでみると、米国事業を有する会社においては、そのグループ内での位置付けがさらに高いものとなっている。アジア・太平洋については、保険料規模の大きいAXAやPrudentialと、これら2社までの水準には達していないAllianzやGeneraliとは状況が異なっており、先の2社では営業利益ベースでの構成比は保険料ベースよりもさらに高く3割程度となっている。
いずれにしても、営業利益においても、各社とも、自国以外での構成比が6割から8割となり、重要な位置付けを占めてきている。
3―欧州大手保険グループ各社の決算状況-AXA、Allianz、Generali-
ここでは、欧州大手保険グループ各社の生命保険事業について、保険料、営業利益に加えて、資産、EV(Embedded Value)5及び新契約価値の状況を地域別に報告する。
さらに、低金利環境下での投資関係損益等を巡る状況や新契約の収益率等の状況を、各社毎に得られる情報に基づいて、報告する。
1|AXA
(1)地域別の業績-2016年の結果-
AXAは、世界の64カ国で保険事業と資産管理事業を展開している。
AXAの営業利益は、1) 自国のフランス、2) 自国以外の欧州、3) 米国、4) 日本を含むアジア、の4地域でそれぞれほぼ1/4程度を占めている。
Annual Reportによれば、収入保険料や新契約保険料等の規模で、自国のフランスでのシェアは9.2%で第3位であるものの、最大の米国市場では、AXAの子会社グループは、2016年9月末の認容資産ベースで、生命保険・健康保険グループで第12位となっている6。さらに、スイスでは26.0%のシェアで第2位、ベルギーでは8.6%のシェアで第3位であることに加えて、インドネシアでは9.7%のシェアで第2位、タイでは11.9%のシェアで第4位等、欧州やアジアの国々で高いプレゼンスを確保している。なお、ドイツでは2015年ベースで、生命保険が3.8%のシェアで第8位、医療保険は7.6%のシェアで第4位となっている。
新契約価値ベースでみると、日本を含むアジアが4割を超える構成比となっている。日本でのシェアは2.0%で第15位であるが、その市場の規模から、AXAグループ全体の中では、営業利益で16%、新契約価値でも19%と大きな位置付けを有している。
さらに、低金利環境下での投資関係損益等を巡る状況や新契約の収益率等の状況を、各社毎に得られる情報に基づいて、報告する。
1|AXA
(1)地域別の業績-2016年の結果-
AXAは、世界の64カ国で保険事業と資産管理事業を展開している。
AXAの営業利益は、1) 自国のフランス、2) 自国以外の欧州、3) 米国、4) 日本を含むアジア、の4地域でそれぞれほぼ1/4程度を占めている。
Annual Reportによれば、収入保険料や新契約保険料等の規模で、自国のフランスでのシェアは9.2%で第3位であるものの、最大の米国市場では、AXAの子会社グループは、2016年9月末の認容資産ベースで、生命保険・健康保険グループで第12位となっている6。さらに、スイスでは26.0%のシェアで第2位、ベルギーでは8.6%のシェアで第3位であることに加えて、インドネシアでは9.7%のシェアで第2位、タイでは11.9%のシェアで第4位等、欧州やアジアの国々で高いプレゼンスを確保している。なお、ドイツでは2015年ベースで、生命保険が3.8%のシェアで第8位、医療保険は7.6%のシェアで第4位となっている。
新契約価値ベースでみると、日本を含むアジアが4割を超える構成比となっている。日本でのシェアは2.0%で第15位であるが、その市場の規模から、AXAグループ全体の中では、営業利益で16%、新契約価値でも19%と大きな位置付けを有している。
5 欧州大手保険グループは、EEV(ヨーロピアンEV)とMCEV(市場整合的EV)のいずれかに基づくEV(Embedded Value:エンベデッド・バリュー)を公表している。
6 AM Best社のデータに基づく(以下、同様)。
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