2017年01月17日

EUと米国の間の再保険規制を巡る交渉はどうなったのか-カバード・アグリーメントをついに締結へ-

中村 亮一

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■要旨

「EUと米国の対話プロジェクト(EU-US Dialogue Project)」及びそこで協議されていた「カバード・アグリーメント(Covered Agreement)」の採択を巡る動きについては、保険年金フォーカス「EUと米国の間の再保険規制を巡る交渉の状況はどうなっているのか-カバード・アグリーメントを巡る状況-」(2016.12.26)(以下、「前回のレポート」という)で報告した。

その中で、交渉の当事者である欧州委員会(EC)や米国財務省(FIO)及び米国通商代表部(USTR)、さらにはEIOPA(欧州保険年金監督局)や欧米の保険業界は、カバード・アグリーメントの締結に前向きであるが  NAIC(全米保険監督官会議)が慎重な姿勢を表明している、ことを報告した。

こうした状況下で、「トランプ氏が大統領に就任した場合、カバード・アグリーメントが合意に達する可能性が低くなると懸念されており、FIOとUSTRは、トランプ政権が誕生する前に、カバード・アグリーメントを迅速に処理しようとしている。」と報告した。

実際に、今回トランプ氏の大統領就任日1月20日の1週間前の2017年1月13日に、EUと米国の間のカバード・アグリーメントが締結された、という声明が公表された。

今回のレポートでは、このカバード・アグリーメントの内容及びこれに対する関係団体等からの反応について報告する。

■目次

1―はじめに
2―カバード・アグリーメントとは
  1|カバード・アグリーメントとは
  2|カバード・アグリーメントの意味合い
  3|カバード・アグリーメントのプロセス
3―今回のカバード・アグリーメントの締結に関する共同声明及びその概要
  1|EC、FIO、USTRによる共同声明
  2|今回のカバード・アグリーメントの概要
  3|今後のプロセス
4―交渉当事者以外の監督当局の反応
  1|EIOPA(欧州保険年金監督局)
  2|NAIC(全米保険監督官会議)
5―保険業界等の反応
  1|ACLI(American Council of Life Insurers:米国生命保険協会)
  2|AIA(American Insurance Association:米国保険協会)
6―まとめ
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中村 亮一

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