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米国では、人々はどのように生命保険に加入しているのか(1)~リムラ&ライフハプンズの保険バロメータースタディより-生命保険加入率と加入者の充足度の状況-
松岡 博司
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米国における生保・年金のマーケティングに関する代表的な調査・教育機関であるLIMRAは、生命保険認知月の事務局を務めるLife Happensと共同で、2011年以降、毎年9月に消費者調査結果“Insurance Barometer Study”を発表している。
これは、生命保険等の金融商品に対して、消費者がどのような認識を持ち、どのような態度・行動を示すのかを定点観測的に確認することを目的とする調査である。
基本的な事項に関する調査結果ではあるが、米国の生保事情を見る上で参考になる点が多い。そこで、これから何回かに分けて、”2016 Insurance Barometer Study”報告書の中から、米国の人々が、どのように生命保険(主に死亡保障、貯蓄を主目的とする保険商品で、医療保険、介護保険等は含まない)に加入しているのか、あるいは加入していないのか等に関するデータを、適宜わが国の状況と対比させる形で紹介していくこととしたい。
1回目は、米国における個人ベースの生命保険加入率(普及率)の状況を取り上げる。
なお”2016 Insurance Barometer Study”調査は、2016年1月にオンラインパネル調査として実施された。調査に回答を寄せた消費者数は2,074名とのことである。
1――生命保険加入率の動向
1|全体として見た加入率および男女別加入率
a.全体加入率は60%
グラフ1は全体および男女別に見た加入状況である。米国では60%(男性62%、女性59%)の人々が、個人生命保険か雇用主を通じて加入した団体生命保険のいずれかに加入している。この人たちを除いた40%(男性38%、女性41%)は生命保険に加入していない。
加入状況を分解すると、個人生命保険にだけ加入している人が26%(男性26%、女性27%)、団体生命保険にだけ加入している人が19%(男性20%、女性18%)、個人生命保険、団体生命保険の両方に加入している人が15%(男性16%、女性14%)である。
生命保険加入率における男女差はほとんどない。
米国では、生命保険に加入している方が多数派ではあるものの、それほど多数派というわけでもないという状況であるようだ。
なお、ここで使用した米国(LIMRA&Life Happens)の加入率とわが国(生命保険文化センター)の加入率を比較すると、以下の異同がある。
(1)個人年金への加入者を対象としていない点は両者同じ。
(2)米国の調査は医療保険加入者を対象としていないが、わが国の調査は医療保険加入者を対象としている。
(3)米国の調査は団体生命保険加入者を対象としているが、わが国の調査は団体生命保険加入者を対象としていない。
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