2016年11月01日

【9月米個人所得・消費支出】個人所得は予想比下振れも、個人消費は予想を上回る伸び

経済研究部 主任研究員 窪谷 浩

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4.消費動向:自動車をはじめ財消費が好調

名目個人消費(前月比)は、サービス消費が前月比+0.3%(前月:+0.3%)と前月から同程度の伸びに留まる一方、財消費が+0.8%(前月:▲0.7%)とマイナスとなった前月の反動もあり、大幅に伸びが加速した(図表4)。財消費では、耐久財+1.3%(前月:▲1.9%)、非耐久財+0.6%(前月:▲0.1%)ともにプラスに転じた。耐久財では自動車・自動車部品が+3.3%(前月:▲4.6%)と前月から大幅な伸びとなったほか、家具・家電も+0.5%(前月:▲0.7%)と前月からプラスに転じた。一方、非耐久財はガソリン・エネルギー関連が+5.1%(前月:▲2.0%)と前月のマイナスから大幅なプラスに転じた。

サービス消費は、娯楽サービスが+1.3%(前月:▲1.6%)とプラスに転じたほか、医療サービスも+0.4%(前月:+0.3%)と小幅ながら前月から伸びが加速したものの、住宅・公共料金が▲0.2%(前月比:+0.7%)とマイナスに転じたことが響いた。
(図表4)名目個人消費(前月比寄与度)/(図表5)個人消費支出(名目、実質)

5.価格指数:エネルギー価格には持ち直しの動き

価格指数(前月比)の内訳をみると、エネルギー価格指数が+3.0%(前月:▲0.1%)と上昇が顕著となった(図表6)。一方、食料品価格指数は▲0.1%(前月:▲0.2%)と、こちらは5ヵ月連続でマイナスとなった。

前年同月比では、エネルギー価格指数が▲3.5%(前月:▲10.0%)と依然としてマイナスが続いているものの、2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した(図表7)。一方、食料品価格指数は、▲1.7%(前月:▲1.4%)と、こちらは前月からマイナス幅が拡大した。

原油価格は、昨年5月の60ドルをピークに今年2月の30ドル割れまで低下しているため、現水準(40ドル台後半)で今後推移する場合には、前年同月比でみたエネルギー価格は物価を押上げる方向に転じよう。
(図表6)PCE価格指数(前月比)/(図表7)PCE価格指数(前年同月比)
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2016年11月01日「経済・金融フラッシュ」)

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