2016年09月23日

2015ベトナム生保市場動向-今後の「伸びしろ」が大きい生保市場

小林 雅史

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1――はじめに

ベトナムにおいては、今後、生保市場の発展が大いに期待できる。

ASEAN(東南アジア諸国連合)中、生保市場の規模としてはいまだ非常に小さく(生保収入保険料はタイの1割弱程度の約1800億円)、生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も低い(0.8%)。

しかしながら、2015年の生保収入保険料の伸び率は、アジア主要国の中でも屈指の水準となっており1、今後2040年まで人口ボーナス期(15~64歳の生産年齢人口が、子どもと高齢者の人口の2倍以上である状態)が続くことも踏まえれば、将来の「伸びしろ」が大きい生保市場であるものと考えられる。

ベトナムの国情(人口、国土の面積、GDP、国民性など)と保険監督体制[保険業法(Luật kinh doanh bảo hiểm、2000年12月9日制定)にもとづき、財務省(Bộ Tài chính)の保険監督庁(Cục Quản lý giám sát bảo hiểm)が監督]、保険会社や販売動向などについては、小著「ベトナムの保険監督と販売動向2で紹介したが、本レポートでは、2015年のベトナム生保市場のトピックスを中心に紹介することとしたい。
 
 
1 平賀富一「アジア生命保険市場の動向・ 展望と重要点」、『保険・年金フォーカス』、ニッセイ基礎研究所、2016年7月19日。http://www.nli-research.co.jp/files/topics/53426_ext_18_0.pdf?site=nli
2 小著「ベトナムの保険監督と販売動向」、『保険・年金フォーカス』、ニッセイ基礎研究所、2015年6月30日。http://www.nli-research.co.jp/files/topics/42540_ext_18_0.pdf?site=nli
 

2――保険会社

2――保険会社

(表1)のとおり、2015年には生保会社17社、損保会社30社の計47社が営業している。

2014年に生保ではBIDVメットライフが、損保ではソウル保証保険が新たに開業した。

BIDVメットライフは、ベトナム投資開発銀行(BIDV)とメットライフの合弁会社である。

ベトナム投資開発銀行は、ベトナムの4大国有商業銀行の1つ[他はベトナム農業農村開発銀行(Agri Bank)、ベトナム商工銀行(Vietin Bank)、ベトナム外商銀行(Vietcom bank)]で、BIDVメットライフの株式の40%を保有し、医療保険などのBIDVメットライフの保険商品の銀行窓版を行っている3
(表1)ベトナムの保険会社数の推移
 
3 「BIDVメットライフ、ベトナムでの営業を開始」(BIDV MetLife Officially Launches in Vietnam)、2014年11月3日、BIDVメットライフホームページ。
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