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貿易統計16年8月~季節調整値の貿易収支は黒字が継続
経済研究部 経済調査室長・総合政策研究部兼任 斎藤 太郎
1.貿易収支は原数値では赤字も、季節調整値では黒字が継続
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比0.9%(7月:同▲2.4%)、輸出価格が前年比▲10.4%(7月:同▲11.9%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比3.8%(7月:同▲4.0%)、輸入価格が前年比▲20.3%(7月:同▲21.5%)であった。
原数値の貿易収支は16年に入ってから1月、5月、8月が赤字となったが、これらはいずれも季節要因で赤字になりやすい月で、季節調整値の貿易収支は15年11月以降、10ヵ月連続で黒字となっている。貿易収支の実勢を判断するには季節調整値を用いることが適切であり、貿易収支は基調としては黒字が継続していると判断される。
2.米国向けの輸出数量が大きく落ち込む
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比▲10.3%(7月:同▲0.4%)、EU向けが前月比▲2.2%(7月:同▲1.7%)、アジア向けが前月比0.4%(7月:同▲1.5%)、全体では前月比0.0%(7月:同▲1.6%)となった。

地域毎にバラツキはあるが、輸出数量全体では引き続き横ばい圏の動きとなっている。4-6月期のGDP統計では財貨・サービスの輸出が前期比▲1.5%となり、外需寄与度が前期比▲0.3%と4四半期ぶりのマイナスとなった。円高に伴うインバウンド需要の鈍化からサービス輸出も弱い動きが続いていることを合わせて考えると、7-9月期も外需が成長率の押し下げ要因となる可能性が高いだろう。
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(2016年09月21日「経済・金融フラッシュ」)
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