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- 家計調査16年7月~明るさが見られる個人消費
2016年08月30日
1.7月の消費支出は前月比で大幅増
総務省が8月30日に公表した家計調査によると、16年7月の実質消費支出は前年比▲0.5%(6月:同▲2.3%)と5ヵ月連続で減少したが、減少幅は前月から大きく縮小し、事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲1.0%、当社予想は同▲0.7%)を上回った。前月比では2.5%(6月:同▲1.3%)の大幅増加となった。月々の振れが大きい住居、自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)は前年比▲0.8%(6月:同▲0.4%)、前月比0.3%(6月:同0.2%)となった。
実質消費支出の動きを項目別に見ると、エアコンなどの家具・家事用品(前年比9.1%)、設備修繕などの住居(同8.2%)は大幅に増加したが、自動車購入の落ち込みなどから交通・通信が前年比▲8.5%の減少となったこと、洋服、シャツ・セーター類などの被服及び履物が同▲7.0%となったことなどが全体を押し下げた。10項目中5項目が増加、5項目が減少した。
実質消費水準指数(除く住居等、季節調整値)は前月比0.1%(6月:同▲1.4%)と2ヵ月ぶりに上昇した。同指数は15年10-12月期の前期比▲2.0%、16年1-3月期の同▲0.8%の後、4-6月期は同2.1%と高い伸びとなった。7月の水準は4-6月期を▲0.4%下回っているが、15年末から16年初にかけての水準は明確に上回っている。
実質消費支出の動きを項目別に見ると、エアコンなどの家具・家事用品(前年比9.1%)、設備修繕などの住居(同8.2%)は大幅に増加したが、自動車購入の落ち込みなどから交通・通信が前年比▲8.5%の減少となったこと、洋服、シャツ・セーター類などの被服及び履物が同▲7.0%となったことなどが全体を押し下げた。10項目中5項目が増加、5項目が減少した。
実質消費水準指数(除く住居等、季節調整値)は前月比0.1%(6月:同▲1.4%)と2ヵ月ぶりに上昇した。同指数は15年10-12月期の前期比▲2.0%、16年1-3月期の同▲0.8%の後、4-6月期は同2.1%と高い伸びとなった。7月の水準は4-6月期を▲0.4%下回っているが、15年末から16年初にかけての水準は明確に上回っている。
2.7月の消費関連指標は総じて強め
家計調査以外の7月の個人消費関連指標を確認すると、商業動態統計の小売販売額は前年比▲0.2%(6月:同▲1.3%)と5ヵ月連続で減少したが、減少幅は前月から縮小し、季節調整済・前月比では1.4%の上昇となった。物価上昇分を考慮した実質ベースの季節調整済・販売額指数(当研究所による試算値)は前月比1.6%の上昇(6月は同0.4%)となった。同指数は1-3月期が前期比▲1.9%、4-6月期が同▲0.2%と2四半期連続で低下したが、7月の水準は4-6月期を1.8%上回っている。
百貨店売上高(日本百貨店協会)は前年比▲0.1%(店舗数調整後)と5ヵ月連続で減少したが、6月の同▲3.5%から減少幅が大きく縮小した。円高の影響などから外国人観光客向けの売上高は4月から前年割れが続いているが、中元商戦の好調や土日の数が前年より2日多かったことが売上高を押し上げた。
また、7月の外食産業売上高は前年比5.9%と8ヵ月連続で増加し、6月の同2.0%から伸び率が大きく高まった。土日の数が多かったことが客数の増加に寄与したとみられるが、客単価もプラスを続けており、外食産業売上高は基調として堅調を維持している。
百貨店売上高(日本百貨店協会)は前年比▲0.1%(店舗数調整後)と5ヵ月連続で減少したが、6月の同▲3.5%から減少幅が大きく縮小した。円高の影響などから外国人観光客向けの売上高は4月から前年割れが続いているが、中元商戦の好調や土日の数が前年より2日多かったことが売上高を押し上げた。
また、7月の外食産業売上高は前年比5.9%と8ヵ月連続で増加し、6月の同2.0%から伸び率が大きく高まった。土日の数が多かったことが客数の増加に寄与したとみられるが、客単価もプラスを続けており、外食産業売上高は基調として堅調を維持している。
16年7月の消費関連指標は、土日の数が多かったことにより押し上げられている部分を割り引いてみる必要があるが、総じて強めの結果だった。
春闘賃上げ率が前年を下回ったこともあり、名目賃金は伸び悩みが続いているが、雇用者数の高い伸び、物価上昇率の低下が実質雇用者所得を押し上げている。年明け以降の円高の進展を受けて企業部門は厳しさを増しているが、家計にとっては円高による物価下落がむしろ追い風となり、消費を取り巻く環境は改善している。
耐久消費財のストック調整圧力が残存していること、16年初からの株価下落による逆資産効果などが引き続き消費の抑制要因となる可能性があることには留意が必要だが、実質所得の増加を主因として民間消費は回復に向かう可能性が高い。
春闘賃上げ率が前年を下回ったこともあり、名目賃金は伸び悩みが続いているが、雇用者数の高い伸び、物価上昇率の低下が実質雇用者所得を押し上げている。年明け以降の円高の進展を受けて企業部門は厳しさを増しているが、家計にとっては円高による物価下落がむしろ追い風となり、消費を取り巻く環境は改善している。
耐久消費財のストック調整圧力が残存していること、16年初からの株価下落による逆資産効果などが引き続き消費の抑制要因となる可能性があることには留意が必要だが、実質所得の増加を主因として民間消費は回復に向かう可能性が高い。
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2016年08月30日「経済・金融フラッシュ」)
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