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中国経済見通し~上期は持ち直しも下期には再減速へ、景気対策なしでは失速しかねない状況
三尾 幸吉郎
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4.経済見通し
メインシナリオでは、「成長率目標の下限(6.5%)の達成が危ぶまれる状況となれば、長期計画を前倒し執行するなど景気対策に踏み切る可能性が高い」と想定しているが、それが無ければ失速する恐れがある。2016年1-7月期の投資は、民間企業の投資が前年同期比2.1%増と落ち込む一方、国有・持ち株企業の投資が同21.8%増と高い伸びを示し、全体では緩やかな減速に留まった(図表-18、19)。中国政府は、行政手続きの簡素化、公共事業や民生分野での参入障壁の解消、資金調達面での支援などを推進、民間企業の投資を促進し始めた。しかし、国有企業改革が進まない中で、民間企業が新たな投資分野を開拓するのは容易ではなく、民間投資は低迷を続ける可能性も低くない。従って、民間投資が低迷を続ける中で、中国政府が景気対策を打ち出さず、国有・持ち株企業の投資が息切れすることになれば、実質成長率が6%を割り込む可能性も否定しきれない。
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三尾 幸吉郎
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(2016年08月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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