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4.金融政策には手詰まり感
一方、中国人民銀行は貸出・預金の基準金利の引き下げを見送り、短期金利の代表指標であるSHIBOR(翌日物)は2%前後で横ばい推移となった(図表-11)。年明けの中国では景気が大きく下振れしたため、市場には利下げ期待があった。しかし、原油価格が底打ちしたことや春節に食品価格が急騰したことで、消費者物価は上昇率を高めていた。また、住宅価格が上昇したことも利下げを見送った背景と思われる。住宅価格は昨年4月を直近底値に上昇傾向を続けており、2014年4月の直近高値に迫るところまで上昇してきた(図表-12)。特に深圳市では直近高値の1.7倍まで上昇するなどバブル懸念が高まり、景気テコ入れのために利下げに踏み切れば、バブル膨張を助長しかねなかった。
5.2016年下期の注目点
第三に住宅市場の販売・着工の好循環の持続性である。2016年上期には、商品住宅の販売(面積)が前年同期比28.6%増と急増する中で、在庫が減り始め、新規着工が同14.0%増と2年ぶりにプラスに転じた(図表-16)。しかし、住宅価格の急上昇でバブル懸念が高まった一部都市では購入制限の強化に動きだしている。住宅価格や販売・着工など関連指標の動きからも目が離せない。
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三尾 幸吉郎
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(2016年07月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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