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スポーツのサーブ権交代のルールは勝敗にどう影響しているのか-各種球技のサーブ権のルールの意味合いを知れば、オリンピックをより楽しめるかも-
中村 亮一
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はじめに
さらには、ロシアのドーピング問題への対応も発生する等、いろいろと大変だとは思うが、無事オリンピックが開催されて、日本選手が活躍することを是非期待したいと思っている。
ところで、各種競技の中で、テニス、卓球、バレーボール、バドミントン等の球技は、個人的に学生時代に、テニスや卓球をプレーしていたこともあり、深い関心を持ってみていきたいと思っている。
こうした球技においては、サーバーとレシーバーという概念があり、サーブ権を有しているかどうかで、各ゲームのポイントの獲得ひいては試合の勝敗に影響してくることになる。今回は、こうしたサーブ権交代のルールについて考えてみる。
サーブ権交代のルール
例えば、テニスは、サーブはゲーム単位(1ゲームは4ポイント先取制、お互いに3ポイントで同点になったときは「デュース」となり、 そのあと2ポイント差がつくまでゲームは行われる)で1人の選手に与えられる。1ゲーム毎にサーブ権が交代し、1セットは6ゲーム先取となっている。
卓球は、サーブ権が1人の選手に2本ずつ、交互に与えられる。以前は5本ずつであったが、2001年に1ゲーム21点制から11点制に変更された時に、2本ずつとなっている。なお、卓球では、セットにあたるものがゲーム、ゲームに当たるものがポイント(点)となっている。
バレーボールでは、サーブ権は得点を挙げたチームに与えられる。従って、得点を挙げ続ける限りにおいては、何回もサーブを続けることになる。なお、以前は「サイドアウト制」(サービスポイント制)といって、サーブ権を有しているチームのみが得点できる制度を採用していたが、1999年から「ラリーポイント制」といって、サーブ権に関係なく得点できる制度に移行している2。また、1セットは25ポイント(第5セットのみ15ポイント)制となっている。
バドミントンも、以前はサービスポイント制を採用していたが、バレーボールと同様に、2006年10月から、1ゲーム21点先取のラリーポイント制を採用している3。なお、バドミントンでも、セットにあたるものがゲーム、ゲームに当たるものがポイント(点)となっている。
なお、いずれの球技においても、セット(ゲーム)を取得するためには、相手に対して2点差を付けている必要がある。
こうして述べてみると、昔自分たちが若いころにプレーしていたときと比べて、サーブ権交代に関わるルールも大きく変わったものだと改めて認識させられる。
1 なお、テニス、卓球、バドミントンでは、ダブルスもあり、その場合にはルール等も異なり、チームという概念で捉える必要が出てくる場合もあるが、以下では、基本的にはシングルスを想定して記載している。
2 これは、「サイドアウト制」だと、得点の加算に時間がかかり、その予測も困難だったことから、テレビの放映時間内に試合を終了させることを主な目的として、変更されたとされている。
3 現在、サービスポイント制を採用している例としては、スカッシュにおいて、3ゲーム方式で、1ゲームを9点先取とする場合に、サーブ権がある場合のみにポイントが取れる方式(ハンドアウト方式と呼ばれている)がある。ただし、正式な試合は、5ゲーム方式で、1ゲームを11点先取とするラリーポイント制で行われている。
サーブ権の有無による有利・不利
まずは、球技によって、サーバーとレシーバーの有利・不利関係は異なっている。
一般的には、テニスの場合、サーバーが有利であると考えられており、勝利のためには、自分のサービスゲームを確保することが極めて重要になっている。卓球の場合も、テニスほどではないが、自分のサービスゲームは有利と考えられているのではないか、と思われる。
これに対して、バレーボールの場合には、もちろん、強力なサーブで相手を崩すこともできるとみられるが、最初にスパイク等によるアタック権を得ることができることから、レシーブを受けるチームが有利と考えられている。
バドミントンの場合も、テニスのような上からの強力なサービスを打つことが認められておらず、必ず腰より下からのサービスとなるため、サーバーが有利ということにはなっていないように思われる。ただし、バレーボールのように必ずレシーバーが有利ということでもないらしい。
なお、バレーボールやバドミントンのような、勝者がサーブ権を保持するようなゲームの場合、サーバーとレシーバーの有利不利を過去の試合結果に基づいて分析することも行われている。ただし、この場合には、強い選手ほどサーバーになりやすいのでサーバーの勝率が高くなってしまう、という内在的な傾向を、何らかの手法で補正する必要が出てくるので、なかなか難しいものとなる。
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