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急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破
竹内 一雅
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外国人の宿泊地は特定の都道府県に集中している(図表-11、12)。2014年の外国人延べ宿泊者数の地域別構成比は、東京エリア7(東京都・千葉県・神奈川県)が全体の39.1%、関西エリア(大阪府・京都府・兵庫県)は22.1%、中京・中部エリア(愛知県・山梨県・静岡県・岐阜県・長野県)は10.1%、北海道は9.0%、北部九州(福岡県・長崎県・熊本県・大分県)は6.0%、沖縄は5.2%で、その他は8.5%だった。
2012年から2014年にかけて外国人の延べ宿泊者数が最も増加したのは東京都の+516万人で、次いで大阪府の+278万人、北海道の+202万人、沖縄県の+153万人、京都府の110万人だった。また増加率が最も高かったのは香川県の+254%、次いで沖縄県の+196%、岐阜県の+155%、和歌山県の+146%、山梨県の+143%だった8。
7 ここでのエリア区分は外国人延べ宿泊者数の集中度合いを示すために、外国人のべ宿泊者数の多い都道府県を暫定的に区分したものであり公的な地域区分とは合致しない。
8 香川県の外国人延べ宿泊者数は2012年の43,090人泊から2014年には152,330人泊(+254%増)へと急増している。これにより香川県の外国人延べ宿泊者数は2012年の全国38位から26位へと上昇した。香川県は2012年から2014年の増加数でも全体の19位(+10万9千人泊)だった。香川県交流推進部観光振興課国際観光推進室によると、外国人観光客の増加要因として、台北や上海、ソウルなどとの直行便の就航が最も重要であり、さらに就航にあわせての訪日プロモーションなどが貢献したという。2013年の瀬戸内国際芸術祭の開催やそれに伴う知名度の向上も欧米や韓国からの観光客増加への効果があった模様だ。高松と上海のLCC直行便の就航については香川県知事のトップセールスなどがあったようだ(高木俊裕「香川県における外国人旅行者誘致の状況」(2012.3.21)百十四経済研究所調査研究より)。隣県の徳島県では2012年から2014年の外国人延べ宿泊者数は45,090人泊から35,630人泊へと全国最大の減少率(▲21%減)であり対照的な推移となった。なお、2012年から2014年に香川県における日本人の延べ宿泊者数は▲24万3千人の減少だったため、外国人の延べ宿泊数の増加が日本人延べ宿泊者数の減少による影響を半減近くに緩和させたことになる。
9 2012年から2014年の2年間で延べ宿泊者総数に占める外国人比率が低下したのは、埼玉県(2.4%→2.2%)と徳島県(2.5%→1.4%)の二県のみだった。
5|都道府県別の宿泊施設タイプ別外国人宿泊者数・構成比
都道府県別に2014年の宿泊施設タイプ別の外国人比率(外国人延べ宿泊者数/延べ宿泊者総数)を見ると、外国人の宿泊比率が最も高いのは千葉県のシティホテルで延べ宿泊者の48%とほぼ半数を外国人が占めている(図表-14)。次いで高いのが東京都の旅館の38%で、大阪府のシティホテル(37%)、東京都のシティホテル(36%)、東京都のリゾートホテル(33%)、山梨県のリゾートホテル(28%)、京都府のシティホテル(28%)、岐阜県のシティホテル(28%)と続いている。
全般的にシティホテルでの外国人比率が高いが、山梨県や九州のいくつかの県などではリゾートホテルの方がシティホテルよりも外国人比率が高い。旅館全体の外国人比率は4%にすぎないが、東京都の旅館では外国人比率が急上昇しており、2014年にはシティホテルの比率をも上回る状況(旅館38%、シティホテル36%)となった10。東京に加え北海道や山梨県の旅館でも外国人比率がそれぞれ15%、12%と高まっており、外国人の受け入れ態勢の整備により旅館でも外国人の宿泊需要を取り込みつつある。
10 東京都の旅館での延べ宿泊者数に占める外国人比率は2013年から2014年にかけて25%から38%へと上昇した。
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