- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- コーポレート・ガバナンス報告書のベストプラクティス-“とりあえずコンプライ”を “あとからエクスプレイン”する
5――「あとからエクスプレイン」を躊躇しない
コード原則の本来的実施は時間がかかるものである。たとえ一時的にエクスプレイン率が高まっても、残された課題を改めて外部に率直に開示することは、コーポレートガバナンスの自律的改善が機能している証左であり、株主・投資家を含めた全てのステークホルダーから信頼を勝ち得ることになるだろう。
6――日本のベストプラクティスがコードを塗り替えるか
しかし、コードは望ましいコーポレートガバナンスを実現するための一つの道具に過ぎない。コードの趣旨・精神を踏まえた上で、コード原則を超えた自社に最適なガバナンス施策を追求すればよいのである。今は、コード原則と自社の現状との乖離について率直に意見を表明するほかはなくとも、これから各社が独自のガバナンス施策を創出し堂々とエクスプレインすることで、「日本のベストプラクティス」が形成され、これによってコードが塗り替えられていくことを期待したい。それは、「日本的経営」の正当性を裏打ちするものにもなるだろう。
最後に、本稿の執筆に際して、花王株式会社と株式会社東京証券取引所の厚意ある諒解と協力を得たことを記して、厚く謝意を表したい。
7 日本コーポレート・ガバナンス研究所 若杉敬明所長「コーポレートガバナンス勉強会2016」による。
江木 聡
研究・専門分野
(2016年06月30日「基礎研レポート」)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【コーポレート・ガバナンス報告書のベストプラクティス-“とりあえずコンプライ”を “あとからエクスプレイン”する】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
コーポレート・ガバナンス報告書のベストプラクティス-“とりあえずコンプライ”を “あとからエクスプレイン”するのレポート Topへ