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5――「あとからエクスプレイン」を躊躇しない
コード原則の本来的実施は時間がかかるものである。たとえ一時的にエクスプレイン率が高まっても、残された課題を改めて外部に率直に開示することは、コーポレートガバナンスの自律的改善が機能している証左であり、株主・投資家を含めた全てのステークホルダーから信頼を勝ち得ることになるだろう。
6――日本のベストプラクティスがコードを塗り替えるか
しかし、コードは望ましいコーポレートガバナンスを実現するための一つの道具に過ぎない。コードの趣旨・精神を踏まえた上で、コード原則を超えた自社に最適なガバナンス施策を追求すればよいのである。今は、コード原則と自社の現状との乖離について率直に意見を表明するほかはなくとも、これから各社が独自のガバナンス施策を創出し堂々とエクスプレインすることで、「日本のベストプラクティス」が形成され、これによってコードが塗り替えられていくことを期待したい。それは、「日本的経営」の正当性を裏打ちするものにもなるだろう。
最後に、本稿の執筆に際して、花王株式会社と株式会社東京証券取引所の厚意ある諒解と協力を得たことを記して、厚く謝意を表したい。
7 日本コーポレート・ガバナンス研究所 若杉敬明所長「コーポレートガバナンス勉強会2016」による。
江木 聡
研究・専門分野
(2016年06月30日「基礎研レポート」)
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