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2016年06月28日
■要旨
シンガポールは、1967年の「バンコク宣言」によって設立されたASEAN (東南アジア諸国連合)の原加盟国5か国(タイ、インドネシア、シンガ ポール、フィリピン、マレーシア)のひとつである。
近年は、英国の調査会社Z/Yenにより、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の国際金融センターと位置づけられている。
一方、生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も、年々増加しており、2014年には5.0%に達している(日本は7.3%)。
こうしたシンガポールの生命保険事情を紹介したい。
■目次
1――はじめに
2――シンガポールの生命保険業
1|保険会社の概要
2|生命保険市場の概要
3|販売保険商品
4|販売チャネル
3――おわりに
シンガポールは、1967年の「バンコク宣言」によって設立されたASEAN (東南アジア諸国連合)の原加盟国5か国(タイ、インドネシア、シンガ ポール、フィリピン、マレーシア)のひとつである。
近年は、英国の調査会社Z/Yenにより、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の国際金融センターと位置づけられている。
一方、生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も、年々増加しており、2014年には5.0%に達している(日本は7.3%)。
こうしたシンガポールの生命保険事情を紹介したい。
■目次
1――はじめに
2――シンガポールの生命保険業
1|保険会社の概要
2|生命保険市場の概要
3|販売保険商品
4|販売チャネル
3――おわりに
1――はじめに
シンガポールは面積約716平方キロメートル(東京23区と同程度)、人口約547万人(うちシンガポール人、永住者は387万人、2013年9月)、民族は中華系74%、マレー系13%、インド系9%、その他3%、言語については、国語はマレー語、公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語とされており、宗教は仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教などである。
1824年、英国の植民地となり、1963年、マレーシア独立に伴い、その一州として参加したが、1965年8月9日マレーシアより分離し、立憲共和制のシンガポール共和国として独立した。
名目GDP は2010年の2316億9900万ドルから、2014年には3078億6000万ドルに達し、順調な成長を示している。
主要産業は製造業(エレクトロニクス、化学関連、バイオメディカル、輸送機械、精密器械)、商業、ビジネスサービス、運輸・通信業、金融サービス業などである。
1967年の「バンコク宣言」によって設立されたASEAN(東南アジア諸国連合)の原加盟国5か国(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア)のひとつであり、東南アジア諸国などとの友好協力関係を基軸とした地域協力に努め、アジア太平洋地域における政治、安全保障、経済面での米国の関与を重視している1。
シンガポールにおいては、銀行・証券・保険会社などの金融業については、中央銀行でもあるシンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)が監督している。
2014年の生保収入保険料は155億4300万ドルで、世界第25位となっている2。
本レポートでは、こうしたシンガポールの生命保険事情を紹介したい。
1 「シンガポール共和国(Republic of Singapore)基礎データ」、外務省ホームページ、2015年10月21日。
2 「sigma No4/2015 World insurance in 2014:back to life」、Swiss Reホームページ、2015年6月。
1824年、英国の植民地となり、1963年、マレーシア独立に伴い、その一州として参加したが、1965年8月9日マレーシアより分離し、立憲共和制のシンガポール共和国として独立した。
名目GDP は2010年の2316億9900万ドルから、2014年には3078億6000万ドルに達し、順調な成長を示している。
主要産業は製造業(エレクトロニクス、化学関連、バイオメディカル、輸送機械、精密器械)、商業、ビジネスサービス、運輸・通信業、金融サービス業などである。
1967年の「バンコク宣言」によって設立されたASEAN(東南アジア諸国連合)の原加盟国5か国(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア)のひとつであり、東南アジア諸国などとの友好協力関係を基軸とした地域協力に努め、アジア太平洋地域における政治、安全保障、経済面での米国の関与を重視している1。
シンガポールにおいては、銀行・証券・保険会社などの金融業については、中央銀行でもあるシンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)が監督している。
2014年の生保収入保険料は155億4300万ドルで、世界第25位となっている2。
本レポートでは、こうしたシンガポールの生命保険事情を紹介したい。
1 「シンガポール共和国(Republic of Singapore)基礎データ」、外務省ホームページ、2015年10月21日。
2 「sigma No4/2015 World insurance in 2014:back to life」、Swiss Reホームページ、2015年6月。
2――シンガポールの生命保険業
1|保険会社の概要
シンガポール通貨監督庁は、シンガポールの中央銀行であり、通貨であるシンガポール・ドルを発行しているが、銀行・証券・保険会社などの金融サービス業の監督も行っている。
保険業については、保険法(Insurance Act)により、監督官庁の認可が必要とされている。
認可されている保険会社は180社で、元受保険会社(Direct Insurers)78社、再保険会社32社、キャプティブ保険会社(Captive Insurers、親会社や関連企業の保険ニーズに応える目的で設立された専属の保険会社)70社となっている。
元受保険会社78社の内訳は、生保会社17社、損保会社55社、生保と損保を兼営する保険会社(Composite Insurers)6社である3。
生保会社や生保と損保を兼営する保険会社23社のうち、シンガポールの内国生保会社はグレート・イースタンとその子会社や、協同組合方式のNTUC Incomeなどに過ぎず、他は外資系生保会社となっている。
2|生命保険市場の概要
直近5年間のシンガポールの名目GDP と生保収入保険料を見ると、(表1)のとおり、生保収入保険料の増加率は、おおむね名目GDPの増加率を上回る伸びを示している。
2014年の生保収入保険料は155億4300万ドルに達し、世界第25位となっている。
生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も、年々増加しており、2014年には5.0%に達している(日本における2014年生命保険浸透率は7.3%)。
シンガポール通貨監督庁は、シンガポールの中央銀行であり、通貨であるシンガポール・ドルを発行しているが、銀行・証券・保険会社などの金融サービス業の監督も行っている。
保険業については、保険法(Insurance Act)により、監督官庁の認可が必要とされている。
認可されている保険会社は180社で、元受保険会社(Direct Insurers)78社、再保険会社32社、キャプティブ保険会社(Captive Insurers、親会社や関連企業の保険ニーズに応える目的で設立された専属の保険会社)70社となっている。
元受保険会社78社の内訳は、生保会社17社、損保会社55社、生保と損保を兼営する保険会社(Composite Insurers)6社である3。
生保会社や生保と損保を兼営する保険会社23社のうち、シンガポールの内国生保会社はグレート・イースタンとその子会社や、協同組合方式のNTUC Incomeなどに過ぎず、他は外資系生保会社となっている。
2|生命保険市場の概要
直近5年間のシンガポールの名目GDP と生保収入保険料を見ると、(表1)のとおり、生保収入保険料の増加率は、おおむね名目GDPの増加率を上回る伸びを示している。
2014年の生保収入保険料は155億4300万ドルに達し、世界第25位となっている。
生命保険浸透率(GDPに対する生保収入保険料の割合)も、年々増加しており、2014年には5.0%に達している(日本における2014年生命保険浸透率は7.3%)。
3 「Number of Financial Institutions and Relevant Organisations in Singapore (Last updated as at 20 Jun 2016 )」、シンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)ホームページ。
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