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中国経済:景気指標の総点検と今後の注目点(2016年夏季号)~景気評価点は「低位」から「中位」に改善
三尾 幸吉郎
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1.供給面から点検すると
2.一方、需要面を点検すると
投資の動きを示す代表的な指標となるのが固定資産投資(除く農家の投資)である。固定資産投資は毎月発表されるものの、1月からの年度累計で公表されるため、時系列の動きは読み取り難い。そこで、当研究所で月次に直したのが図表-5である。1-3月期は前年同期比10.7%増と前年の伸び(前年比10.0%増)を上回る好調なスタートを切った。しかし、5月には前年同月比6.1%増(推定1)と大きく伸びが鈍化、特に民間投資の落ち込みが顕著となっている。
1 中国では、統計方法の改定時に新基準で計測した過去の数値を公表しない場合が多く、また1月からの年度累計で公表される統計も多い。本稿では、四半期毎の伸びを見るためなどの目的で、ニッセイ基礎研究所で中国国家統計局などが公表したデータを元に推定した数値を掲載している。またその場合には“(推定)”と付して公表された数値と区別している。
3.その他の景気指標を点検すると
また、貨物輸送量の注目度も高い。鉄道貨物輸送量は李克強首相が重視していたとされる指標だが、過半を占める石炭の輸送量がエネルギー改革の中で構造的に減少、景気と乖離する可能性がでてきたため道路貨物輸送量を見ることとしている(図表-9)。道路貨物輸送量は電子商取引(EC)など新たな消費活動の動きを反映するという利点もある。1-5月期の道路貨物輸送量は前年同期比4.1%増と前年の伸び(前年比6.4%増)を下回り、景気の懸念材料となっている。但し、3月は前年同月比6.2%増、4月は同5.1%増、5月は同5.7%増(推定)と、1-2月期の前年同期比1.3%増を上回り、伸びを回復しつつある(図表-10)。
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