2016年06月03日

適用拡大の周知は大丈夫か?

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短時間労働者への厚生年金の適用拡大が、今年10月に迫っている。

日本年金機構は今年8月に該当する事業所へ事前連絡を行う予定だが、該当する個人にまで事前連絡が行き届くか、懸念がある。

特に心配なのは、働きながら年金を受け取っている人々だ。働きながら厚生年金を受け取ると、年金や給与の額によって年金額の一部や全部が支給停止となる。支給停止条件の「働く」とは「厚生年金が適用される(厚生年金の加入対象となる)」ことを指すため、厚生年金が適用されないよう短時間だけ働く人も多い。

2013年に厚生労働省が実施した調査によれば、60~64歳の会社員や公務員で、公的年金を受給しながら厚生年金などの公的年金が適用されていない人は112万人。このうち適用拡大の対象となりうる週20時間以上30時間未満の勤務者は、34万人にのぼる。勤務時間以外に企業規模などの要件があるため、最終的な適用拡大の対象者はさらに絞られるが、相当数への影響が見込まれる。

適用拡大で、給与から保険料が引かれた上に年金も支給停止となっては、生活への影響が大きい。なるべく早い事前連絡と、企業への助成金を活用した勤務時間延長などの対応が望まれる。

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(2016年06月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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