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- 中国経済見通し~景気は一旦持ち直しも、成長率の鈍化傾向は続く
輸出金額(ドルベース)の動きを見ると、2015年は前年比2.9%減とリーマンショック後の2009年以来6年ぶりに前年を下回った(図表-8)。景気が上向いた米国向けは前年比3.4%増と好調だったものの、景気が低迷を続けたEU向けは同4.0%減、日本向けは同9.2%減と前年割れになり、その他の国・地域向けも原油安などで資源国が不振だったため同3.1%減となった。2016年に入っても世界経済の成長の勢いは鈍く、1-4月期の輸出も前年同期比7.6%減とマイナス幅を拡大しており、米国向けが前年比8.9%減、EU向けが同4.4%減、日本向けが同7.0%減、ASEAN向けが同8.9%減と、軒並み前年割れとなっている。3月には輸出の先行指標となる新規輸出受注指数が拡張収縮の境界線となる50%を1年6ヵ月ぶりに回復したことから、今後は若干の反動増があると見られるものの、世界経済の回復が緩やかなものに留まりそうなことを踏まえると、輸出が中国経済を牽引するとは期待できないだろう(図表-9)。
3.住宅バブルと金融政策
今後、インフレ率は原油価格上昇から緩やかな上昇基調と見られるが、バブルを警戒して利上げを急げば住宅販売が低迷する都市では景気が悪化しかねず、景気を重視して利上げを躊躇すればバブル懸念が高まりかねない。全国一律で同一方向に作用する金融政策は難しい舵取りが求められる。
4.経済見通し
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三尾 幸吉郎
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(2016年05月27日「Weekly エコノミスト・レター」)
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