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- 東京のマンション、実はそこまで高くない!?~修正年収倍率による東京マンション市場の分析~
2016年05月26日
2|東京都区部の年収倍率と修正年収倍率の推移
次に東京都区部の年収倍率と修正年収倍率を見る。2015年の年収倍率は10.7倍と前年比15.2%上昇した(図表―7)。ミニバブル期のピークである2007年の9.3倍を上回っており、バブル期に次ぐ水準だ。年収倍率からは、都区部のマンション市場の過熱感は強いと言える。
修正年収倍率は13.4倍と前年比12.4%上昇した。2007年の13.8倍をやや下回る水準だ。また2010年以降の平均である12.3倍からの乖離も9.2%と限定的で、ファンダメンタルズから逸脱した動きとは言えない。但し、2015年同様の上昇が続けば、2016年にはミニバブル期の水準を上回ることからも、注意すべき水準ではある。
次に東京都区部の年収倍率と修正年収倍率を見る。2015年の年収倍率は10.7倍と前年比15.2%上昇した(図表―7)。ミニバブル期のピークである2007年の9.3倍を上回っており、バブル期に次ぐ水準だ。年収倍率からは、都区部のマンション市場の過熱感は強いと言える。
修正年収倍率は13.4倍と前年比12.4%上昇した。2007年の13.8倍をやや下回る水準だ。また2010年以降の平均である12.3倍からの乖離も9.2%と限定的で、ファンダメンタルズから逸脱した動きとは言えない。但し、2015年同様の上昇が続けば、2016年にはミニバブル期の水準を上回ることからも、注意すべき水準ではある。
契約率とは、新築マンションが発売された、その月の内に契約に至った割合を表している。契約率が高いほどマンション販売が好調なことを示し、好不調の目安は70%とされる。安倍政権発足前の2011年は中・高価格帯が好調な「への字型」だったが、2015年は低価格帯と超高価格帯が好調な「U字型」となった。東京都区部で4千万円以下の新築マンションは、1LDKなど比較的小さな物件が多く、投資用として購入されるケースも多い。従って、「U字型」とは、超高級マンションと投資用マンションが特に好調だったと解釈できる。この主な要因として、アベノミクス相場による資産効果や相続税改正に後押しされた節税対策などが挙げられる。これらの要因もあり、所得が伸び悩んでいるにもかかわらず、東京都区部のマンション価格は上昇した。
マンション価格上昇を背景に足元では修正年収倍率も上昇しているが、依然としてミニバブル期よりは低い水準である。ミニバブル期のピークである2007年からの住宅ローン総返済額の変動要因を見る(図表-10)。マンション価格は983万円上昇した一方、住宅ローン金利低下を主因に住宅ローン総利息額は1,275万円減少し、住宅ローン総返済額が293万円減少した。同期間における住宅ローン金利の低下幅は約1.3%である。ミニバブル期と比較すると、マンション価格が1千万円近く上昇したにもかかわらず、それ以上に利息負担が減ったため、マンションはむしろ買いやすくなっているのである。
マンション価格上昇を背景に足元では修正年収倍率も上昇しているが、依然としてミニバブル期よりは低い水準である。ミニバブル期のピークである2007年からの住宅ローン総返済額の変動要因を見る(図表-10)。マンション価格は983万円上昇した一方、住宅ローン金利低下を主因に住宅ローン総利息額は1,275万円減少し、住宅ローン総返済額が293万円減少した。同期間における住宅ローン金利の低下幅は約1.3%である。ミニバブル期と比較すると、マンション価格が1千万円近く上昇したにもかかわらず、それ以上に利息負担が減ったため、マンションはむしろ買いやすくなっているのである。
東京都区部のマンション価格上昇には目を見張るものがある。年収倍率はミニバブル期を優に上回っていることから、現在の不動産市場をバブルとする主張も理解できる。一方、住宅ローン金利低下による実質的な値引き効果も大きい。修正年収倍率は、注意すべき水準まで上昇しているが、ミニバブル期の水準を下回っていることからも、一概にファンダメンタルズから乖離した動きと結論付けることはできないだろう。
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