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インドの生命保険市場(4)-インドのアポインテッド・アクチュアリー制度はどのような仕組みで運営されているのか-
中村 亮一
あくまでも「推奨される実務」として、規定されている。以下が、主要なガイダンス・ノートである。
(1)GN06(剰余の分配に関しての有配当生命保険の管理)
剰余の分配としての配当率の決定におけるアセット・シェア手法の採用等について規定している。
(2)GN22(生命保険事業の保証に対する負債評価)
最低保証給付や解約価格の設定のような組込デリバティブに対する負債評価を行う場合に使用される手法等について規定している。
インド・アクチュアリー会の正会員になるには、試験をパスしなければならないが、この試験は、(1)筆記試験、(2)実務試験、の2つのタイプに区分される。さらに、試験は、以下の4つのステージに分かれている。
(a)第1ステージ(コア・テクニカル)
ファイナンス、確率・統計、モデリング等の9科目で必須
(b)第2ステージ(コア・アプリケーション)
保険数理リスク管理、モデル文書化分析と報告、コミュニケーションの3科目で必須
(後者の2科目が実務試験)
(c)第3ステージ(スペシャリスト・テクニカル)
生命保険、年金、医療、ファイナスと投資、ERM(統合的リスク管理)等の6科目の中から、2科目選択
(d)第4ステージ(スペシャリスト・アプリケーション)
生命保険、年金、医療、損害保険、ファイナンス、投資の6科目の中から1科目選択
上記の全てのステージをパスし、3年以上の実務経験等の要件を満たすものが「Fellow(正会員)」となる。また、相互資格認定を行っている他国のアクチュアリー会の正会員等が「Affiliate(提携会員)」となる。さらに、第1ステージ、第2ステージの必須の12科目をパスしたものが「Associate(準会員)」となる。
なお、2015年3月末の会員数の分布は、下の図表の通りである。
4―まとめ
次回のレターでは、アポインテッド・アクチュアリーが作成するARAやAAARといった報告書の中でも重要な位置付けが与えられている「リスク管理」に関する項目に関して、インドの生命保険会社に求められている資産負債管理(ALM)やストレス・テストの内容等について、報告する。
中村 亮一
研究・専門分野
(2015年12月28日「基礎研レター」)
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