2015年11月11日

景気ウォッチャー調査(15年10月)~3ヵ月ぶりの改善も、停滞局面を脱せず

経済研究部 研究員   岡 圭佑

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■見出し

・景気の現状判断DI:3ヵ月ぶりの改善も、停滞局面脱せず
・堅調なインバウンド需要、年末商戦への期待が下支え
・先行きも不透明感から足踏みが続く

■要旨

11月10日に内閣府から公表された15年10月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断DIは48.2と前月を0.7ポイント上回り、3ヵ月ぶりに改善した。参考系列として公表されている季節調整値は51.7と、前月を3.0ポイント上回った。

景況感は夏場にかけて足踏みが続き、8、9月と原数値が好不況の分かれ目である50を下回るなど停滞感を強めていたが、悪化の動きに一旦歯止めがかかった格好だ。円安による材料価格の高騰への懸念が依然根強い中、世界同時株安の発端となった中国の景気減速懸念が幾分和らいだことが背景にあるとみられる。一方で、気がかりな点は低迷が続く個人消費の下支えとなってきたプレミアム付商品券による消費押上げ期待が薄らいでいることだ。コメントをみると、インバウンド関連が依然多いものの、プレミアム付商品券関連のコメント数は減少傾向にある。中国の景気減速や物価上昇への懸念が払拭されない中、押し上げ材料への期待が薄らいでいることを踏まえれば、景況感が停滞局面を脱したと判断するのは早計といえよう。

個人消費の低迷が続く中、株高やインバウンド効果が景況感の下支えとなっているが、中国経済の情勢や円安による物価上昇への懸念が足かせとなり、足踏み状態が続いている。個人消費は、名目賃金の伸び悩みなどから本格的な回復に向かうことは期待できず、景況感を押し上げるまでには至らないだろう。新たな押し上げ材料が不在の中、根強い中国景気の先行き不安や物価上昇への懸念が終息しない限り、景況感の足踏み状態は長引く恐れがあるため、今後の動向に注意が必要だ。

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経済研究部   研究員

岡 圭佑 (おか けいすけ)

研究・専門分野
日本経済

(2015年11月11日「経済・金融フラッシュ」)

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