2015年10月29日

【10月米FOMC】予想通り、政策金利据え置き。12月の利上げ意欲を示す内容

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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【要旨】

1.金融政策の概要:政策金利は据え置き、次回会合での利上げ是非検討を明記

米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が10月27-28日(現地時間)に開催された。政策金利は大方の予想通り据え置き。声明文では、ガイダンス部分で次回会合において政策金利引上げの是非を検討することが明記された。また、景気の現状判断では、雇用の増加ペースの鈍化が示され、労働市場の評価が下方修正された。一方、金融政策判断では、前回の会合で政策金利引上げ見送りの要因とされた海外経済や金融市場による物価下押し懸念についての表記は削除された。
今回の金融政策の決定においては、リッチモンド連銀のラッカー総裁が25bpsの政策金利引上げを主張し、反対票を投じた。

2.金融政策の評価:12月の政策金利引上げ予想を維持

今回のFOMC会合では市場の予想通り政策金利引上げは見送られた。注目されたフォワードガイダンスでは、12月の次回会合で政策金利引上げの是非を判断することが明記され、12月政策金利引上げの可能性を残す表現となった。イエレン議長をはじめFRBは、これまで年内の利上げ開始への意欲を示してきたが、最近になって複数の中銀関係者が政策金利引上げを来年以降に先延ばしする可能性に言及していたこともあり、今回の声明文で来年以降への方針転換が示される可能性も一部では予想されていた。今回の声明文では、FRBが年内利上げ開始に拘っている姿が伺える。
前回会合後の記者会見で、イエレン議長は海外経済に対する不透明感を背景に米国の金融市場がタイト化していることの懸念を表明していた。9月の利上げ見送りが影響した可能性は否定できないものの、米株式市場は8月下旬に急落する以前の水準まで戻しているほか、相場の変動性を示す指標も安定しており、金融市場は落ち着きを取り戻している。このため、FRBの中で金融市場の混乱が実体経済に与える影響についての懸念は、一旦後退しているとみられる。
一方、12月の利上げ決定に際しては、米労働市場の動向が鍵を握ると思われる。これまで雇用者数は力強い伸びが持続していたが、8月から2ヵ月連続で伸びが大幅に鈍化しており、労働市場の回復鈍化が懸念されている。FRBの2つの金融政策目標のうち、物価面では早期の利上げ開始を正当化し難いと思われるため、もう一つの目標である「雇用の最大化」の達成が拠り所とみられる。来月以降に発表される雇用統計で再び雇用増ペースの加速がみられれば、FRBは12月に利上げを実施するだろう。当研究所では、12月の利上げ開始予想を維持している。

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2015年10月29日「経済・金融フラッシュ」)

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