2015年09月29日

【8月米個人所得・消費支出】消費支出は、所得の伸びを背景に堅調、市場予想も上回る

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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【要旨】

1.結果の概要:実質個人消費支出は前月から伸びが加速し、市場予想を上回る

9月28日、米商務省の経済分析局(BEA)は8月の個人所得・消費支出統計を公表した。個人所得(名目値)は、前月比+0.3%(前月改定値:+0.5%)となり、前月から伸びが鈍化、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.4%も下回った。一方、個人消費支出(名目値)は、前月比+0.4%(前月改定値:+0.4%)と前月と同水準、市場予想の+0.3%は上回った。また、価格変動の影響を除いた実質個人消費支出は、前月比+0.4%(前月改定値:+0.3%)となり前月から伸びが加速、市場予想の+0.3%も上回った。貯蓄率は4.6%(前月改定値:4.7%)と前月から0.1%ポイント低下した。
価格指数は、総合指数が前月比横這い(前月値:+0.1%)と前月から低下、市場予想(横這い)には一致した。また、変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は、前月比+0.1%(前月+0.1%)と、こちらは前月および市場予想(+0.1%)に一致した。なお、前年同月比では、総合指数が+0.3%(前月:+0.3%)、コア指数が+1.3%(前月改定値:+1.2%)となった(詳細はPDF参照)。


2.結果の評価:所得の堅調を背景に消費の伸びが持続

堅調な個人所得を背景に個人消費支出の増加基調が持続している。さらに、8月は所得の伸びに比べて消費の伸びが高かったことから、貯蓄率も3ヵ月ぶりに低下に転じた。もっとも、雇用不安が後退していることに加え、08年の金融危機前の貯蓄率の水準が2~3%であったことを考慮すると、消費は未だ余力を残しているとみられる。
一方、価格指数は、コア指数の前年同月比が前月から小幅上昇したものの、FRBが目標とする2%の水準を大幅に下回っているほか、総合指数、コア指数の前月比や総合指数の前年同月比はほとんど伸びておらず、物価が抑制されている状況が持続している。15年に入って安定がみられていた原油価格は夏場以降に低迷しており、足元でエネルギー関連の物価には再び下押し圧力がかかっている。
FRBは、中国や新興国経済の不透明な状況等を背景に短期的に物価が下振れる可能性を示唆し、9月の利上げを見送ったが、当面物価は抑制された状況が持続するとみられる。

個人所得・消費支出、貯蓄率/PCE価格指数(前年同月比)



 
  1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2015年09月29日「経済・金融フラッシュ」)

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