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- 高齢者の消費力のポテンシャル~高齢者市場開拓に向けた参考情報
<要旨>
- 拡大を続ける高齢者市場を如何に開拓できるかは、個々の企業のみならず国内経済全体の発展に大きく関わることである。しかし、年金を主な収入源として暮らす高齢者にどれだけの消費力があるのか、その実態は判然としていない。
- 国民生活基礎調査から世帯ごとの「可処分所得額」と「家計支出額」の関係を照合し、毎月の家計の収支を予測してみると、高齢者世帯の17%は「赤字」、42%は「収支が均衡」、41%は「黒字」の可能性があることがわかった。
- 高齢者世帯の約4割が黒字の可能性があることをどのように解釈すべきか。より実態に近い解釈は、「手元には使えるお金はあるけど“使わない”世帯が約4割もある」ということだろう。“余分なものは買わない”ことに徹しながら生活を切り詰め、結果として収支のプラスを確保しているのが実態と言える。
- 高齢者市場を活性化させるには、そうした“使わない”を“使える・使いたい”に変えるような市場からのアプローチが必要である。将来不安の軽減につながるような金融・保険商品の開発であったり、高齢者が「これなら買ってもいい、利用したい」と思わせるような商品サービスのさらなる“魅力づくり、付加価値づくり”が求められる。
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生活研究部 上席研究員・ジェロントロジー推進室兼任
前田 展弘 (まえだ のぶひろ)
研究・専門分野
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)、超高齢社会・市場、QOL(Quality of Life)、ライフデザイン
03-3512-1878
- 2004年 :ニッセイ基礎研究所入社
2006~2008年度 :東京大学ジェロントロジー寄付研究部門 協力研究員
2009年度~ :東京大学高齢社会総合研究機構 客員研究員
(2022年度~ :東京大学未来ビジョン研究センター・客員研究員)
2021年度~ :慶応義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター・訪問研究員
内閣官房「一億総活躍社会(意見交換会)」招聘(2015年度)
財務省財務総合政策研究所「高齢社会における選択と集中に関する研究会」委員(2013年度)、「企業の投資戦略に関する研究会」招聘(2016年度)
東京都「東京のグランドデザイン検討委員会」招聘(2015年度)
神奈川県「かながわ人生100歳時代ネットワーク/生涯現役マルチライフ推進プロジェクト」代表(2017年度~)
生協総研「2050研究会(2050年未来社会構想)」委員(2013-14、16-18年度)
全労済協会「2025年の生活保障と日本社会の構想研究会」委員(2014-15年度)
一般社団法人未来社会共創センター 理事(全体事業統括担当、2020年度~)
一般社団法人定年後研究所 理事(2018-19年度)
【資格】 高齢社会エキスパート(総合)※特別認定者、MBA 他
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