2015年07月16日

気候変動「適応ビジネス」 (その1)-なぜ、日本の「適応ビジネス」は遅れているのか?

  川村 雅彦

文字サイズ

目次

はじめに (背景と問題意識)
1――避けられない気候変動の影響と 「適応」 の必要性
  1│ 世界と日本における気候変動の影響とリスク
  2│ 世界的に広がる「適応」の議論
    (1)基本は「緩和」だが、「適応」も不可欠に
    (2)企業は「適応」を経営課題として認識できるか
2――企業の 「適応策」 のグッド・プラクティス
  1│ 国連の適応策事例データベース
    (1)適応策の領域と内容 :多彩な取組分野
    (2)適応策の対象地域・国 :途上国はもとより先進国にも必要な適応策
    (3)適応策に取り組む企業の本社所在国 :欧米企業が多い
  2│ 世界の適応策のグッド・プラクティスからみた特徴と示唆
3――企業が検討すべき 「適応策」 の4側面
  1│ 企業の適応策の全体構図(4側面)
    (1)なぜ、企業に「適応」が必要なのか?
    (2)「適応」のもたらす効果・便益
  2│ 業種別の適応策 :業種特性に応じたリスク・チャンス
4――企業の 「適応策」 の全体像と 「適応ビジネス」
  1│ 企業の「適応策」の全体像
    (1)気候変動の直接リスクへの適応
    (2)気候変動の間接リスクへの適応
    (3)気候変動に伴う適応ビジネス
    (4)気候変動にかかわる社会的信望
  2│ 「適応ビジネス」 への6つのアプローチ



■要約

もはや“天候不順”では済まされない異常気象の脅威が世界各地で顕在化しており、気候変動(地球温暖化)は確実に進行している。地球規模の気温上昇による降雨パターンの変化に伴う洪水や旱魃の増加、台風の大型化、熱波や寒波の頻発、また生態系の変化や農作物の不作、マラリアの拡大、あるいは海面上昇による塩害の拡大など、自然環境だけでなく人的被害を含め社会経済にも“ドミノ倒し”的に悪影響を及ぼすようになってきた。

このような気候変動を食い止めるためには、温室効果ガス排出の削減と森林吸収の促進する「緩和」と、気候変動による影響の回避・軽減、あるいはそのための備えを意味する「適応」が不可欠である。つまり、適応とは、気候リスクの回避・分散と事業機会の活用に向けた取組のことであり、洪水対策や熱中症の早期警告から農作物の新種開発あるいは保険商品の見直しに至るまで、多岐にわたる分野の取組がある。

本稿では、多くの日本企業が“自らの気候リスク”への対応とは考えていない「適応」を取り上げ、国連気候変動枠組条約の事務局の事例データベース(PSI)を基に、世界の多様な先進事例を分析し、まず企業の視点から「適応策」の全体構図を明らかにする。そのうえで、適応ソリューション(解決策)を提供する「適応ビジネス」の考え方を提示する。

このレポートの関連カテゴリ

川村 雅彦

研究・専門分野

(2015年07月16日「基礎研レポート」)

レポート

アクセスランキング

【気候変動「適応ビジネス」 (その1)-なぜ、日本の「適応ビジネス」は遅れているのか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

気候変動「適応ビジネス」 (その1)-なぜ、日本の「適応ビジネス」は遅れているのか?のレポート Topへ