2015年06月17日

貿易統計15年5月~輸出が再び弱含み

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・輸出数量、輸入数量ともに落ち込む
・海外経済の減速が輸出を下押し
・貿易赤字は今後拡大へ


■要旨

財務省が6月17日に公表した貿易統計によると、15年5月の貿易収支は▲2,160億円と2ヵ月連続の赤字となった。輸出が前年比2.4%と4月の同8.0%から伸びが鈍化したが、輸入も前年比▲8.7%と4月の同▲4.2%から減少幅が拡大したため、貿易収支は前年に比べ7,012億円の改善となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲3.8%、輸出価格が前年比6.4%、輸入の内訳は、輸入数量が前年比▲5.3%、輸入価格が前年比▲3.6%であった。輸出入ともに数量の伸びが前月から大きく低下したが、今年の5月はGWの関係で平日(月~金)の数が昨年よりも2日少なく、通関日数が少なかったことも影響している可能性がある。
季節調整済の貿易収支は▲1,825億円の赤字となり、4月の▲2,399億円から赤字幅が縮小した。なお、先月時点では15年3月の貿易収支は50億円の黒字であったが、季節調整のかけ直しに伴い▲76億円とわずかながら赤字となった。この結果、季節調整済の貿易収支は東日本大震災が発生した11年3月から4年以上にわたり赤字が継続しているという姿に改められた。

5月の輸出数量指数(季節調整値)を地域別に見ると、米国向けが前月比▲12.2%、EU向けが前月比▲1.9%、アジア向けが前月比▲3.0%、全体では前月比▲3.4%であった。
前述の通り、5月の輸出数量が弱かったのは通関日数の少なさによる部分もあるが、4、5月の輸出数量指数(季節調整値)の平均を1-3月期と比べても、米国向けが▲4.0%、EU向けが▲1.4%、アジア向けが▲6.2%、全体では▲3.5%低くなっており、輸出は実勢として弱含んでいる可能性が高い。生産拠点の海外シフトによって円安による輸出の押し上げ効果が小さくなっているという構造要因に加えて、中国、新興国を中心とした海外経済の減速という循環要因が輸出の下押し要因になっていると考えられる。

通関(入着)ベースの原油価格はすでに上昇に転じており、調達価格が原油価格連動型の長期契約となっている液化天然ガス(LNG)の輸入価格は、現時点では大幅な下落が続いているが、先行きは上昇に向かうだろう。また、5月下旬以降、円安が進んでいることは輸入価格全体を押し上げる。輸出数量がここにきて弱含んでいることも合わせて考えると、貿易収支(季節調整値)の赤字幅は今後拡大に向かう可能性が高い。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

(2015年06月17日「経済・金融フラッシュ」)

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