2015年05月13日

劣後債の適合性は厳しめに

金融研究部 年金総合リサーチセンター 年金研究部長   德島 勝幸

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■要旨

低金利が続く中で、投資家の利回りに対するニーズを満たすため、仕組み債の他、劣後債を含むハイブリッド証券に再び注目が集まっている。資金調達者である発行体から見れば、低金利環境のメリットを享受した調達が可能になっており、同時に、一般的な社債よりも高い手数料が支払われるため、募集を担当する証券会社にも好まれているようだ。しかし、通常の社債より高い利回りの裏には、通常の社債には存在しないリスクが隠れている。特に、劣後債の場合には、法的処理等の劣後事由に該当した場合、元本は完全に毀損される可能性が高い。公的資金の注入が期待できる金融機関の劣後債とは異なり、事業会社の劣後債の場合には、投資家は十分な信用分析と確認に基づいて投資判断を行わなければならない。個人や諸法人といった劣後債投資に不慣れな投資家に対しては、販売業者は十分過ぎるほどの説明を行った上で理解を得ることが必要であろう。金融商品取引法の定める適合性原則は、商品の内容と投資家の経験等によって求められる水準が異なるのであり、劣後債等の場合には、より厳しく適用されることが望ましい。後になって問題が発生し、騒動になるという、これまでの金融商品販売の歴史を繰返すべきではない。

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金融研究部   年金総合リサーチセンター 年金研究部長

德島 勝幸 (とくしま かつゆき)

研究・専門分野
年金・債券・クレジット・ALM

(2015年05月13日「基礎研レター」)

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