2015年05月01日

【アジア新興経済レビュー】鈍化する韓国と好調の台湾

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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  1. (実体経済)
    生産面の伸び率(前年同月比)の動きを見ると、タイを除く国・地域でプラスとなった。台湾・マレーシアは主要産業を中心に5%台の好調が続いている。またインドが鉱業・製造業・電力が揃って改善して3ヵ月ぶりの5%台を記録した。一方、前月に1年11カ月ぶりのプラスに転じたタイは内外需の鈍化を受けて再びマイナスとなった。
  2. (インフレ率)
    3月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、資源価格の下落による下押し圧力が続いており、インドを除く国・地域で6ヵ月平均を下回った。インドは前年同月比5.2%と、堅調なルピー相場を背景に前月から低下した。また、インドネシアは前年同月比6.4%と、ガソリン価格の小幅値上げ、ルピア安などによって3ヵ月ぶりに上昇した。
  3. (金融政策)
    4月は、韓国、タイ、インドネシア、インドの中央銀行で金融政策会合が開かれた。タイでは景気回復ペースの遅れを受けて、政策金利を0.25%引き下げ1.5%とした。その他の国では、政策金利は据え置かれた。
  4. (4月の注目ニュース)
      -韓国・台湾:1-3月期GDPを公表(24日、30日)
      -韓国     :首相辞任で政治は再び停滞へ(27日)
      -台湾     :蔡英文氏が次期総統選の民進党候補に決定(15日)
      -タイ     :新憲法草案を国家改革評議会に提出(17日)
  5. (5月の主要指標)
    5月は、マレーシア(14日)・タイ(18日)・インドネシア(5日)・フィリピン(28日)・インド(29日)で2015年1-3月期のGDPが公表される。マレーシアは原油安やGST導入前の駆け込み需要の影響、タイは10-12月に底入れした景気が回復傾向を続けるか、またインドは高インフレの改善を受けて消費に回復傾向が見られるかに注目したい。
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

(2015年05月01日「経済・金融フラッシュ」)

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