2015年04月10日

マイナス成長下でも企業収益が好調を維持する理由

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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  1. 日本経済は消費税率引き上げをきっかけとして大きく落ち込み、2014年度の実質GDPはマイナス成長が確実となっている。一方、企業収益は増加を続けており、2014年度はマイナス成長下で増益が実現する初めての年となりそうだ。
  2. 需要が落ち込む中でも企業収益が好調を維持しているのは、円安を主因としたコスト増を製品・サービス価格に転嫁できていることが大きい。
  3. 過去2年間の円安局面における製造業の価格転嫁率(産出物価/投入物価)は70%前後と高く、売上数量の落ち込みを十分にカバーしている。
  4. 企業が十分な価格転嫁を行っている裏で家計はそのしわ寄せを受けている。名目賃金の伸びが緩やかにとどまる中で物価上昇率が大きく高まったため、実質雇用者所得は大幅に減少し、個人消費も低迷が続いている。
  5. 2014年度は家計部門が大きなダメージを受ける一方で企業部門が底堅さを維持したことで、景気が総崩れとなることは回避された。2015年度は企業部門の好調さが雇用・所得環境の改善を通じて家計部門に波及することにより、消費増税によって途切れかけた前向きの循環が明確化することが期待される。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

(2015年04月10日「Weekly エコノミスト・レター」)

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