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最近の米国PE市場の状況~マーケット環境と年金投資家の取組み例~
金融研究部 取締役 研究理事 兼 年金総合リサーチセンター長 兼 ESG推進室長 德島 勝幸
■要旨
日本では、金融緩和が強化される中で、投資マネーの行きどころが見失われている。国内債券から株式や外国証券へという単純なポートフォリオシフトだけでは、仮にリターンを確保できたとしても、証券価格の上下変動によるリスクの増大への対応が不可避となる。多様なリスク性資産への投資を管理するには、基本的には分散投資がベースであり、それに幾つかの高度なリスク管理ツールを補ってやれば良い。分散投資の中で、近年有力視されているのが、プライベートエクイティに代表される流動性を犠牲にしてのリターン向上策である。数年前からこうした取組みの拡大は、公的・私的双方の年金からも意識されているが、必ずしも投資金額の積み上がりは大きくない。ところが、米国のプライベートエクイティ市場は、日本の市場に比べると、とても魅力的に映る。経済の活性度や企業の新陳代謝等を考えると、非上場企業の保有するポテンシャルに期待するものは大きい。また、現実に米国の年金は、プライベートエクイティ投資を実践して、リターンの向上に努めているものが少なくない。改めて、グローバルに規模が最大である米国のプライベートエクイティ市場の状況を概観するとともに、具体的な投資家の取組み例を紹介して、日本の年金による取組みの参考としたい。
03-3512-1845
(2015年03月31日「基礎研レポート」)
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