2015年02月27日

中国経済見通し:15年は7.1%、16年は6.9%~リスクは住宅市場に在り

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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  1. 中国では14年の国内総生産(GDP)が63兆6463億元と日本の2倍を超えてきた。14年の実質成長率は前年比7.4%増で、うち工業は同7.0%増と2年連続で全体の伸びを下回り、牽引力は徐々に弱まってきている。代わって存在感を高めてきたのが第三次産業で、12年以降3年連続で全体の伸びを上回っており、産業構造の転換は着実に進んでいる(下左表)。
  2. 需要面を見ると、輸出は欧米経済の復調を受けて緩やかながら拡大傾向と思われる。消費は堅調な実質所得の伸びなどに支えられて底堅いと思われる。投資は過剰生産設備を抱える製造業では引き続き減速し、不動産業でも前年の伸びをやや下回るものの、新型都市化を背景にインフラ関連が高い伸びを維持し、底堅い個人消費を背景に消費サービス関連も高い伸びを維持することから、投資全体としては緩やかな減速に留まると思われる。
  3. 物価面を見ると、原油安などを受けて14年は工業生産者価格(出荷)が前年比1.9%下落、消費者物価は同2.0%上昇に留まった。また、住宅価格が下落に転じて最高値からの下落率が6%強に達する一方、中国株は勢いよく上昇して新たなバブルの芽との懸念が浮上してきた。
  4. 現在の中国経済は、「積み上がった製品在庫」、「住宅市場の低迷」、「財源問題を抱える地方財政」という3つの景気下押し要因を抱えている。景気対策としては、地方財政には頼れないことから、追加利下げで住宅価格を底打ちさせるとともに、新型都市化の推進や環境規制と絡めた需要喚起策などを打ち出し、積み上がった製品在庫の整理を支援すると見ている(下右図)。
  5. 中国経済の成長率は2015年が前年比7.1%増、2016年は同6.9%増と予想している。最終消費は3ポイント台後半のプラス寄与、総資本形成は製造業では減速傾向が続くもののインフラ関連や消費サービス関連は高い伸びを維持して3ポイント台前半、純輸出はゼロ近辺と見ている。なお、景気が下ぶれるリスクとしては住宅価格のさらなる下落が挙げられる。
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経済研究部   上席研究員

三尾 幸吉郎 (みお こうきちろう)

研究・専門分野
中国経済

(2015年02月27日「Weekly エコノミスト・レター」)

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