- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 消費者物価(全国14年10月)~コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は14年度末にかけて0.5%程度へ
■見出し
・コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は13年10月以来の1%割れ
・コアCPI上昇率は14年度末にかけて0.5%程度へ
■要旨
総務省が11月28日に公表した消費者物価指数によると、14年10月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比2.9%となり、上昇率は前月から0.1ポイント縮小した。事前の市場予想(QUICK集計:2.9%、当社予想は2.8%)を上回る結果であった。
コアCPIを消費税の影響を除くベースでみると、4月は消費税率引き上げ分以上の値上げが行われたこともあり、前年比1.5%まで上昇率が高まったが、その後は鈍化傾向が続き、10月は前年比0.9%と13年10月以来の1%割れとなった。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.20%(9月:同0.22%)、食料(生鮮食品を除く)が0.27%(9月:同0.27%)、その他が0.41%(9月:同0.49%)であった(当研究所試算による消費税の影響を除くベース)。
原油価格が夏場以降大幅に下落する一方、日銀の追加緩和実施後は大幅な円安が進んでいる。言うまでもなく、短期的には円安は物価押し上げ要因、原油安は物価押し下げ要因となる。ただし、原油安は長い目で見れば経済活動に好影響を与え物価を押し上げる方向に作用する。当研究所のマクロモデルを用いて、円安10%と原油安20%が同時に進んだ場合の消費者物価への影響をシミュレーションすると、2四半期目までは原油安による物価押し下げ幅が円安による物価押し上げ幅を上回り、3四半期目で両者のプラスマイナスがほぼ一致した後、4四半期目からは物価を押し上げる方向に作用するという結果となった。足もとのドル円レート、原油価格(ドバイ)を14年7-9月期(平均)と比較すると、ドル円レートは10%強の円安、原油価格は30%程度の下落となっている。当面は原油価格下落による押し下げ効果が上回ることが見込まれる。
現時点では、為替レートが足もとからほぼ横這い、原油価格(ドバイ)が14年度末までに1バレル80ドル台まで持ち直すことを前提として、コアCPI上昇率は14年度末にかけて0.5%程度まで低下すると予想している。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月24日
中国経済の現状と注目点-24年1~3月期は好調な出だしとなるも、勢いが持続するかは疑問 -
2024年04月24日
人手不足とインフレ・賃上げを考える -
2024年04月24日
米国でのiPhone競争法訴訟-司法省等が違法な独占確保につき訴え -
2024年04月23日
他国との再保険の監督に関する留意事項の検討(欧州)-EIOPAの声明 -
2024年04月23日
気候変動-温暖化の情報提示-気候変動問題の科学の専門家は“ドラマが少ない方向に誤る?”
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【消費者物価(全国14年10月)~コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は14年度末にかけて0.5%程度へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費者物価(全国14年10月)~コアCPI上昇率(消費税の影響を除く)は14年度末にかけて0.5%程度へのレポート Topへ