2014年11月10日

【10月米雇用統計】21.4万人と予想を下回ったものの巡航ペースの改善が持続

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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【要旨】

1.結果の概要:予想を下回ったものの、9ヵ月連続で月間20万人超の増加。

11月7日、米国労働省(BLS)は10月の雇用統計を公表した。10月の非農業部門雇用者数は前月対比で+21.4万人の増加(前月改定値:+25.6人)となり、増加幅は前月から減少、市場予想の+23.5万人(Bloomberg集計の中央値、以下同様)も下回った(後掲図表3参照)。8月の数値が20万人超に上方修正された結果、月間20万人超の増加は9ヵ月連続となった。
一方、失業率は5.8%(前月:5.9%、市場予想:5.9%)と市場の横ばい予想に反し、前月から0.1%ポイント低下した(後掲図表6参照)。労働参加率は62.8%(前月:62.7%)と前月から0.1%ポイント上昇した。

2.結果の評価:雇用増は巡航ペースの改善が持続、失業率の低下はポジティブ。

10月の雇用増は、9ヵ月連続で20万人超のペースとなった。前月の雇用増が大きかったため、伸びが鈍化してみえるが、後述するように前月の数値は0.8万人上方修正されており、この分を加えると、雇用の伸びは過去3ヵ月平均+22.4万人、9月までの過去1年の平均+22.2万人の水準に近く、巡航ペースの回復トレンドが持続していると判断できる。
失業率は5.8%、小数第1位まで取ると5.76%と5.7%に近い数値まで低下した。前月比で低下するのは4ヶ月連続で、年初からの低下幅は0.8%ポイントとなった。一方、注目される労働参加率は、就業者数の大幅な増加を反映して前月から上昇した(詳細は後述)。このことは、今月の失業率低下が職探しを諦めて労働市場から退出した影響ではないことを示しており、ポジティブに評価できる。
次に、時間当たり賃金伸び率は、前年同期比+2.0%(前月+2.0%、市場予想:+2.1%)と、前月から横ばい、改善を見込んでいた市場予想を下回った。賃金の伸びは依然として緩慢な状況が続いており、雇用増などの労働市場の「量」の改善が、賃金などの「質」の改善に結びついていない状況を示している。


非農業部門雇用者数の増減(業種別)/失業率の変化(要因分解)



 
 季節調整済の数値。以下、特に断りがない限り、季節調整済の数値を記載している。
 労働参加率は、生産年齢人口(15歳以上の人口)に対する労働力人口(就業者数と失業者数を合計したもの)の比率。

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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