2014年10月06日

【9月米雇用統計】24.8万人と20万人ペースに回復、失業率は予想外に5.9%へ低下

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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【要旨】

結果の概要:2ヵ月ぶりに月間20万人増加ペースに回復

10月3日、米国労働省(BLS)は9月の雇用統計を公表した。9月の非農業部門雇用者数は前月対比で24.8万人の増加 (前月改定値:+18.0万人)となり、増加幅は前月の20万人を切るペースから拡大、市場予想の+21.5万人(Bloomberg集計の中央値、以下同様)を上回った(後掲図表3参照)。これで今年1月以降持続していた月間20万人超の増加ペースに回帰した。
失業率は5.9%(前月:6.1%、市場予想:6.1%)と市場の横ばい予想に反し、前月から0.2%低下した(後掲図表6参照)。もっとも、失業率を低下させる方向に働く労働参加率 は62.7%(前月:62.8%)と小幅低下し、78年2月以来の低水準となった。(詳細はPDFを参照)

結果の評価:ヘッドラインは強いものの、労働参加率や賃金上昇率に懸念も

9月の雇用増は再び20万人を超えるペースに回復した。8月に、月間20万人超の回復ペースを下回り、今年1月以降持続していた順調な回復ペースの変調が懸念されたが、それは杞憂だったことが示された。雇用の伸びは過去3ヵ月の平均が22.4万人、過去1年の平均が21.3万人であり、これまでの回復トレンドが持続していると判断できる。
今月の雇用統計で一番のサプライズは、失業率が前月から0.2%低下し、リーマン・ショック前(08年7月)の水準となったことだろう。失業率の市場予想は前月と横ばいの6.1%、市場予想の下限は6.0%であり、6%割れは予想されていなかった。もっとも、労働参加率は前月から更に低下し、こちらは78年2月以来の低水準となっており、失業率の改善を割り引いて考える必要がありそうだ。また、求職をあきらめた人を含む周辺労働力人口や経済的理由によるパートタイマーを考慮した広義の失業率は、11.8%(前月:12.0%)となっており、こちらはリーマン・ショック前の水準より高くなっている(後掲図表9参照)。
また、雇用増は持続しているものの、賃金の伸びは依然として緩慢である。時間当たり賃金伸び率は前年同期比+2.0%(前月+2.1%、市場予想:+2.2%)と、前月から伸びが鈍化し、市場予想も下回っている。失業率は先月のイエレンFRB議長も指摘する通り、FRBの想定を上回るスピードで改善している。しかしながら、賃金上昇率の伸びの加速はみられておらず、労働市場の緩み(スラック)が依然存在しているとみられる。金融政策の動向を判断する上でも賃金は注目される。


非農業部門雇用者数の増減(業種別)/失業率の変化(要因分解)

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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