2014年09月11日

第2子、中国での出産条件-「一人っ子政策」、緩和とその後

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 片山 ゆき

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■要旨

昨年末、中国で「一人っ子政策」の更なる緩和が決定された。大まかには、夫婦のどちらかが一人っ子であれば第2子の出産を認める、というものだ。
とはいえ、第2子の出産には、夫婦のどちらかが一人っ子であればよい、という条件のみではない。実は年齢や第1子出産からの期間、戸籍等の追加条件もある。これらの条件を満たす夫婦が第2子出産のための「申請」ができ、当局の「承認」を得て、初めて第2子の出産が(法的に)可能となるのだ。

1979年以降に出生した「一人っ子世代」の結婚、出産が増加する中で、当局が実施した調査では、およそ6割が緩和への方向性を「支持する」と回答している。しかも一人っ子の両親にあたる世代(1970年代、1960年代生まれ)が緩和策をより支持している。
子供をもうけることを希望するかについては98%が「希望する」と回答している。また、およそ9割は結婚後2年以内に子供(第1子)をもうけることを希望し、回答した夫婦の7割以上が第2子を希望している。

政府は原則的に人口抑制の政策を維持するとしているが、今後、緩和策の浸透や、親世代の「支持」を背景に、一人っ子世代の第2子出産の機運が更に高まる可能性もある。

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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき (かたやま ゆき)

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

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