2014年09月03日

【インドGDP】4-6月期は前年同期比+5.7%~本格回復を前に、緩やかな景気回復が続く~

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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1.4-6月期は前年同期比+5.7%

インド中央統計機構(CSO)は8月29日に14年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率(供給側)は前年同期比+5.7%の増加と、前期(同+4.6%)から加速したほか、市場予測(Bloomberg集計値:同+5.6%)を小幅に上回った。成長率が5%台後半となるのは実に2011年1-3月期以来となる。


インドの実質GDP成長率(供給側)/インドの実質GDP成長率(支出側)


2.本格回復を前に、緩やかな景気回復が続く

インドは内需に回復傾向が見られ、2年続いた停滞期から脱却しつつある。ただし、4-6月期の投資の改善は、新政権下の成長期待や好調な輸出による設備投資需要もあるが、前年同期の実績が低かったことが主因であり、現時点では本格的な投資主導の成長サイクルに入ったとは考えにくい。
先行きは、大幅な成長率の加速までは見込んでいないものの、緩やかに景気の温度は上がっていくものと見ている。輸出は米国主導の海外景気の回復と通貨安による価格競争力の向上によって好調を維持するほか、投資も当面はモディ政権下の中期的な成長期待で海外からの直接投資の拡大が見込まれる。ただし、足元でやや低下傾向にあるインフレ率は、米国の早期利上げ観測の高まりを背景としたルピー安に伴う輸入インフレ、中東情勢の悪化による原油価格の上昇、そしてモンスーン期の雨不足による農産物への影響といった上振れ要因が残存しており、消費は伸び悩む可能性がある。

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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

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