2014年07月29日

アペタイトに基づくリスク管理-リスク管理は経営にどのように活用できるか?

保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任   篠原 拓也

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【要旨】

本稿は、リスク管理の初学者向けに、予備知識なくリスク・アペタイト・フレームワークのエッセンスを確認してもらうための基礎的な内容としている。

現在、金融機関は、業務に関する様々なリスクを統合して全社的に管理するERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)の取り組みを進めている。その中で、近年、特に注目されているものがリスク・アペタイト・フレームワークである。これは、2008年のリーマン・ショック等のグローバル金融危機の反省をもとに、既知のリスクへの対症療法から、未知のリスクの把握も含めた原因療法へと、リスク管理の方針を変えていくことを志向したものとなっている。そこでは、事業目標達成のために経営が意図的に引き受けるリスクの水準・種類を意味する、リスク・アペタイトの考え方が導入されている。従来のリスク管理との違いを確認し、金融安定理事会による基準を通じて、このフレームワークを概観する。また、具体例につきリスク調整後収益指標を用いた評価を行い、実務への活用についても検討する。

今後、各金融機関で、このフレームワークを含めて、リスク管理の実務への落とし込みの検討が進むものと思われるが、その際は、様々な研究結果等を参考にしつつ議論を重ね、自社の取組みを高めていくという姿勢が大切ではないか、と考えられる。

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保険研究部   主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品、保険計理

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