2014年05月21日

貿易統計14年4月~駆け込み需要の反動を背景に輸入が急減し、貿易赤字が大きく縮小

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・輸入数量の急減を主因に貿易赤字が縮小
・輸出の回復ペースは引き続き緩やか
・4月の経常収支(季節調整値)は4ヵ月ぶりの黒字へ

■要旨

財務省が5月21日に公表した貿易統計によると、14年4月の貿易収支は▲8,089億円の赤字となった。輸出が3月の前年比1.8%から同5.1%へと伸びを高める一方、輸入の伸びが3月の前年比18.1%から同3.4%へと急低下した。依然として大幅な貿易赤字だが、輸入の伸びが輸出の伸びを下回ったことにより12年8月以来20ヵ月ぶりに貿易収支が前年よりも改善した。
消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動から国内需要が大きく落ち込んでいることを反映し、輸入数量が減少に転じた(3月:前年比11.6%→4月:同▲1.3%)ことが貿易収支改善の主因である。環境税増税を前に原油の輸入量が3月に急増した反動で、4月に大きく落ち込んだことも輸入数量の押し下げ要因となった。
季節調整済の貿易収支は▲8,446億円の赤字となったが、3月の▲16,268億円から赤字幅が大きく縮小した。輸出が前月比0.6%(3月:同▲2.7%)と2ヵ月ぶりに増加する一方、輸入が前月比▲9.9%(3月:同4.3%)の大幅減少となった。円安や海外経済の回復を背景に輸出の持ち直しが続くこと、内需減速を主因とした輸入の弱含みが続くことから貿易赤字は縮小傾向が続く可能性が高い。ただし、海外生産シフトの進展といった構造的な要因もあり輸出の回復ペースは引き続き緩やかなものにとどまること、14年度半ば以降は内需の持ち直しに伴い輸入が再び増加に転じることから、赤字が解消することは見込めない。現時点では14年度の貿易収支は▲10兆円を超える赤字になると予想している(13年度は▲13.8兆円)。

4月の輸出数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比1.0%(3月:同▲2.4%)の上昇となったが、3月の落ち込みの反動による部分もあり、4月の輸出数量指数は1-3月期の平均を0.2%上回る水準にとどまっている。輸出の回復ペースは基調としては引き続き緩やかなものにとどまっていると判断される。
一方、4月の輸入数量指数(季節調整値)は駆け込み需要の反動で内需が大きく落ち込んでいることを反映し、前月比▲8.6%(3月:同6.1%)の急低下となった。GDP統計の外需は3四半期連続でマイナスとなったが、14年4-6月期は成長率の押し上げ要因となる可能性が高い。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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