2014年05月19日

為替のターニングポイント~マーケット・カルテ6月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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5月に入り、ドル円相場はやや円高ぎみに推移し、足元では101円台半ばとなっている。米景気は総じて悪くないのだが、地政学リスクや米早期利上げ観測の後退などから米長期金利がかなり低下してきており、日米金利差の縮小に伴う円高圧力がじわりと効いている。

円安ドル高材料が不足しており、当面ドル円の上値は重そうだ。しかし、3ヵ月という時間軸で考えると、やや円安ドル高が進む可能性が高い。地政学リスクの不透明感こそ強いが、米景気回復が続くことで、現状のような低い米金利は正当化できなくなり、日米金利差が緩やかに拡大するだろう。また、6月には日本側の材料も投入される。政府の成長戦略発表が予定されているほか、早ければ公的年金の運用機関であるGPIFの運用方針変更(株式比率引き上げ)が示される可能性もある。これらが市場の期待に応え、株高が促されれば、リスクオンの円安も期待できる。6月はターニングポイントになるだろう。

ユーロ円相場はECBの6月追加緩和示唆によりユーロ安に振れている。その意味で6月はユーロにとってもターニングポイントだが、日米の量的緩和のような大胆な策は難しく、緩和したとしても影響が限定的な策に留まりそう。一方、通貨高要因であるユーロ圏の貿易黒字は高止まりしており、3ヵ月後はやや円安ユーロ高が予想される。

長期金利は0.6%付近で動意なし。日銀の国債買入れによって変動が大きく抑制されるため、3ヵ月後も現状と大差ない水準と予想。

(執筆時点:2014/5/19)

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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