2014年05月15日

アフターフォローとしての確認活動は有益か-消費者側からみた契約後の確認活動の評価と効果

生活研究部 シニアマーケティングリサーチャー   井上 智紀

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■要約

本稿では、アフターフォローとしての確認活動が実際にどのように行われており、その結果どのような効果を産んでいるのかについて、消費者意識の面から検証を試みた。

その結果、全体では約3割が確認活動を受けた経験があるものの、実施率は加入先の会社やチャネルにより異なることが明らかになった。また、実施率は「既契約の見直し提案」と「生命保険全般に関する相談」や「既契約の見直し提案」と「既契約の状況説明」、「既契約の状況説明」と「新商品・新サービスの紹介」で、それぞれ高く、保障ニーズと既契約とのミスマッチを確認し、追加加入・見直しといった提案につなげていく上で、これらのサービスや情報提供が重要な契機となっていることが確認された。加入者側では確認活動に対して概ね好意的に評価しており、特にその他のサービス・情報提供と併せて実施した場合に、高い評価につながることが明らかとなった。

確認活動には、加入時期に関わらず満足度を高める効果があり、中でも既契約の状況説明を受けることで加入後の時間経過に伴う満足度の逓減傾向を緩和する効果も期待できることが明らかとなった。一方で、再利用意向や推奨意向といったロイヤルティについては、逓減傾向を緩和する効果はみられないものの、加入時期に関わらず確認活動を受けた層の方が再利用意向や推奨意向が高くなっていた。

これらの結果は、確認活動を含めた継続的なアフターフォローにより、顧客との関係の維持・深耕のみならず顧客層の拡大をも期待できること、顧客にとっても自身の保障内容に対する理解を深め、生保会社からのサービス・情報提供を受ける貴重な機会となっていることを示している。

一方、確認活動を受けた経験が総じて低いことの背景には、消費者が確認活動を、売り手都合の営業活動としてみている可能性と、消費者側に、定期的な保障の過不足の確認や、追加的な対処の必要性の認識が不足している可能性のいずれか、または、両方がある。前者のように売り手主導の提案の押しつけがあるとすれば論外であり、顧客志向での確認活動を進められるよう、より一層の営業担当者側の質の向上を目指すことが求められる。また、消費者に、定期的な保障内容の確認や、その際の担当者の存在意義について理解を得、確認活動を拡げていくためには、必要性を訴え続けていく必要があるだろう。

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生活研究部   シニアマーケティングリサーチャー

井上 智紀 (いのうえ ともき)

研究・専門分野
消費者行動、金融マーケティング、ダイレクトマーケティング、少子高齢社会、社会保障

(2014年05月15日「基礎研レポート」)

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