2014年04月25日

中国経済:1-3月期の経済概況と当面の見通し

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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  1. 2014年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比7.4%増と2四半期連続で前四半期の伸びを下回り、前期比では1.4%増と年率換算すれば5%台後半という極めて低い伸びとなった。但し、3月単月の工業生産や製造業PMI(生産経営活動予想指数)を見ると改善しており、1-3月期の中でも最後の3月には景気に回復の兆しが見え始めたといえるだろう。
  2. 1-3月期の輸出は前年同期比3.4%減と前四半期(同7.4%増)から大きく減速した。但し、全体の約17%を占める香港向けが前年同期比3割減となったことが影響しており、決して良くはないが過度の懸念も不要だろう。今後を考えると、欧州向けは回復基調、寒波で落ち込んだ米国向けは反動増が期待できることから、5月には輸出の伸びが高まるだろう。
  3. 個人消費の代表指標である小売売上高は1-3月期に前年同期比12.0%増と昨年の伸びを(同13.1%増)を下回った。経済成長率が鈍化したのとは逆に一人あたり可処分所得の伸びは高まっており、3月には消費者マインドも改善に転じたことから、景気悪化の波及には注意を要するものの、当面の個人消費は底堅いだろうと思われる。
  4. 投資の代表指標である固定資産投資は1-3月期に前年同期比17.6%増と昨年の伸び(同19.6%増)を大きく下回った。長期的趨勢としては、消費サービス関連の伸びは高いものの製造業の減速で全体は減速傾向という構造と思われる。当面の景気変動の原因となるのはインフラ・不動産関連となりそうだが、地方政府の債務拡大は難しく減速傾向となるだろう。
  5. 2月には短期金利が低下し人民元安に誘導するなど金融は緩和気味に調整された(下左図)。3月には新型都市化計画が発表され、4月にも鉄道建設目標を引き上げたことなどで、4-6月期の成長率は前期を上回るだろう。但し、今回の景気対策は規模が小さく、今後もディレバレッジを進めると見られることから、7-9月期には再び成長率が鈍化するだろう(下右図)。
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