2014年03月13日

円高警戒が必要な時間帯に~マーケット・カルテ4月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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ドル円相場は102円台付近での膠着感が漂っている。本邦貿易赤字、日銀の追加緩和期待、米テーパリング継続観測がドル円の下値を支える一方で、米景気の不透明感、中国も含めた新興国不安、ウクライナ情勢への警戒が上値を抑え、強弱材料が拮抗している状況だ。

今後3ヶ月は円高への警戒が必要な時間帯になるだろう。寒波の影響剥落によって米景気懸念が後退しドル高圧力が強まるが、消費増税による国内景気下振れ懸念という円高圧力発生の影響が上回りそうだ。増税は「内需減→輸入減」という形で実需の円売りも縮小させる。また、ウクライナや新興国も警戒が必要な状況が続くだろう。従って、5月にかけて一旦円高に振れる可能性が高い。ただし、3ヶ月後になると、増税の悪影響が峠を越え、米経済の足取りもより確かになっていると見られ、ドル円は現状比横ばい程度まで戻ると予想している。

ユーロの対ドル相場は最近上昇傾向にある。ドルの低迷に加えて、ユーロ圏景気回復に伴うECBの追加緩和観測後退、緩和手段の手詰まり感が背景にある。今後3ヶ月では、米景気回復によってユーロがやや弱含むと見る。対円でもやや円高ユーロ安になると見ている。

長期金利は0.6%台前半での低迷が継続。今後は米金利上昇が上昇圧力となるが、日銀の国債買入れがその影響を抑制するだろう。増税後の景気下振れも金利抑制材料となる。絶対水準の観点から金利底割れは想定しにくいが、3ヶ月後も現在と大差ない水準に留まると見る。

(執筆時点:2014/3/13)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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